風紀委員長の誕生日2 ページ41
踵を返して、応接室へと走る。
「雲雀さんっ！！」
勢いよく戸を開けて、雲雀さんを凝視した。
「帰ったんじゃなかったの？」
「帰ったんじゃ、じゃありませんよ！ 今日誕生日だったんですか！？」
「うん。」
平然と頷く彼。
「ちょ、言ってくださいよ！？」
「なんで？」
さらりと言われ、一瞬言葉に詰まる。
そこで私は気づいた。
そうだよ、プレゼント！ 何も用意してないじゃん！？ と、その場に立ち尽くす私。
そうして項垂れる私を見かねたように、雲雀さんは言った。
「A、君からプレゼント貰おうとか思ってないから帰っていいよ。」
内心を見透かされ、私は顔が赤くなるのを感じた。
「いや、そ、そういうわけでは……」
そうだよ、別に無理してあげなくてもいいよね。
そもそも、なんで私はプレゼント渡す前提なんだ？
自分の中で浮かんだ疑問の答えは出ず、ただ唸るばかり。
「それじゃ、僕はもう帰るから。」
「えっ！」
席から立ち上がった雲雀さんに何故か焦りを覚える私。
別に上げなくてもいいし、雲雀さんの誕生日とか別に重要じゃないけど！
「ちょ、ちょっとまってください！」
振り返り、雲雀さんは何？ と不思議そうに私を見ている。
いやなんで私呼び止めた！？
えーとどうしよう、なんかないかな、なんか………
少し考えて黙っていると、雲雀さんはまた歩き出す。
あぁ、もう！
もうこれでいいや、どうにでもなれ自分！！
「戦いましょう！」
その瞬間、ピタリと足を止める雲雀さん。
私の方を振り返り、不敵な笑みを浮かべる。
「ワオ、珍しいね。僕と戦ってくれるの？」
「たっ、誕生日スペシャルです！ プレゼントないから、これで勘弁してください！」
勢いに任せそう言うと、彼は楽しそうに笑った。
「へぇ……誕生日なんてくだらないと思ってたけど……そうでもないね」
そう言うと、彼は早足で屋上へ向かった。
つくと、トンファーを構えている雲雀さんがいた。
「最高の誕生日だよ、A。」
「そ、それは良かった」
ぎこちない笑みを浮かべ仕方なく短剣を構える。
「さぁ、始めようか」
「うぅ……雲雀さんお誕生日おめでとうございますうう！」
やけになってそう叫びながら、戦闘は始まった。
こんなはずじゃなかったのに……
来年はちゃんと用意しておこう、と私は心に誓ったのだった。
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桜もち(プロフ) - ２万hit突破してたー！すごく嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年8月3日 14時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - ヨーヨーさん» 大量更新すると言ったのに申し訳ありません(泣)まさか夏季課外なるものがあるとは……あと模試。高校怖い…今日からまた更新するのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年8月3日 10時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーヨー - 本当に面白いです！早く続きが読みたいです！！！！ (2017年7月19日 11時) (レス) id: 0e946961c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - かほさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！ほんとですか！？わぁ、光栄です！アンケート作った際にはぜひ投票ヨロシクお願いします！ (2017年7月12日 17時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 本当に面白いです！良ければ未来編の最後までお願いしたいです笑！大変だと思いますが…是非見てみたいです！ (2017年7月9日 23時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
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