155話 予想外の幕引き ページ30
獄寺の勝利に歓喜していると、チェルベッロがそれに水を指すように言った。
「完成した嵐のリングを所持するまで勝利と認められません」
「２つのリングを手にし嵐のリングを完成させて下さい」
言われた獄寺は、めんどくさそうに動く。
と、彼の身体がフラりと揺れる。
かなり消耗しているようだ。
そうして、爆破まで残り3分のところで
ベルさんのリングに手を伸ばす。
それをとればおわり。この場にいる誰もがそう思っていた。
だが
「あ゛………」
「「！！」」
もう意識もないベルさんが、獄寺のリングを掴んだ。
そのまま獄寺を押し倒す。
「勝つの、オレっ！」
叫び、無意識のままリングを奪おうとする。
みんなが言うに、彼を動かすのは勝利への本能らしい。
それにしたって、ここまで……？
揉み合う二人にろくな体力は残っていない。
そして、この最悪なタイミングで
爆発が始まった。
彼等がいる図書室への推定爆破時刻は一分。
それまでに引き上げなければ、二人とも死んでしまう。
「そ、そんな〜！ このままじゃ獄寺君が！」
「何をしているタコヘッド、急がんか！」
仲間の不安そうな声に獄寺も意地になってもがく。
けれど、爆破はすぐそこ。
見かねたシャマルさんが引き上げろと叫ぶ。
だが、彼には届かない。
一勝三敗のプレッシャーが彼の冷静さを奪う。
「お前の相手はいかれちまってんだ！ 勝負になっちゃいねぇ！ 戻るんだ！！」
「手ぶらで戻れるかよ！！ これで戻ったら10代目の右腕の名がすたるんだよ！！」
なんで、そんなことで……！！
「獄寺！」
「タコヘッド戻ってこい！」
「お願い獄寺、戻って！！」
爆破まであと20秒。
「ここは死んでも引き下がれねぇ！！」
「ふざけるな！！」
ツナの突然の大声。
獄寺を怒るようにらしくもないが、ツナは続けた。
またみんなで笑いたいから強くなって戦うのに
「君が死んだら意味がないじゃないか！！！」
怒声を最後に、モニターは写らなくなった。
図書室が爆破したのだ。
「あのバカ……」
「う、そ……」
爆発に巻き込まれたと思って泣きかけるツナ。
だがその時、
爆煙の中から、傷だらけの獄寺が現れた。
気づいて駆け寄るみんな。
どうやらツナの思いが届いたようで。
私もほっと胸をおろした。
そうして今宵の勝負はヴァリアー側の勝利で終わった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜もち(プロフ) - ２万hit突破してたー！すごく嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年8月3日 14時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - ヨーヨーさん» 大量更新すると言ったのに申し訳ありません(泣)まさか夏季課外なるものがあるとは……あと模試。高校怖い…今日からまた更新するのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年8月3日 10時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーヨー - 本当に面白いです！早く続きが読みたいです！！！！ (2017年7月19日 11時) (レス) id: 0e946961c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - かほさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！ほんとですか！？わぁ、光栄です！アンケート作った際にはぜひ投票ヨロシクお願いします！ (2017年7月12日 17時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 本当に面白いです！良ければ未来編の最後までお願いしたいです笑！大変だと思いますが…是非見てみたいです！ (2017年7月9日 23時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
