149話 トリック ページ19
斬っても、斬っても、止むことのないナイフの攻撃。
一体あれは何本あるんだろう。そしてどこに隠してたんだろう……。
そんなことを思いながら、また斬り落とす。
「へぇ、ベルのあの小さなナイフを斬れるなんて。大した動体視力だね」
「天音の奴も、半端なかったからなぁ」
後ろで解説が聞こえる。
ふと、ベルさんが止まった。
「やるじゃん姫。ちょっとびっくり」
「そうですか？」
「じゃ、こっから本番……ね！」
最後の言葉と同時に投げられた無数のナイフ。
全て避けて、斬って。
けど、右頬に鋭い痛みが走った。
「！？」
散った赤いしぶきが目に映る。
なんで、当たっていなかったのに！
驚いて彼の方を見ると楽しそうに笑っている。
……これは、なんかしたな？
熱くなった頭を落ち着けて、冷静に戦況を分析することにした。
その間にも、もちろんナイフが飛び交う。
斬っても、なぜか斬れていく自身の身体。
その斬り口は一直線で、ナイフの外れた方向に沿っている。斬撃じゃ、こんな細い斬り方はできない。
それに、ナイフの刃先を見てもこう一直線になりはしないだろう。
「ってことは……」
もう一つ、彼には武器があるな。
目を凝らして、前に突っ切る。すると、上半身がスパスパッと斜めに２本、斬れた。
ナイフはそもそも投げていなかったし、今度は切り口が長い。
短剣でスッと恐る恐る斬ってみると、何かに当たる。
これは……糸？しかも、細く鋭利なワイヤーか。
なるほど、ナイフにこのワイヤーをつけて張り巡らせていたわけか。
「すごいですね、よくできてる」
「ん？」
前を向きなおし、自身の周りに斬撃を複数放つ。
ワイヤーは全て斬れて地に落ちる。
「！！」
だんっと強く踏み込んで、一歩でベルさんの懐に潜り込む。
彼が反応するより早く、その首に剣の切っ先をつけた。
「私の、勝ちですね」
わっと、その瞬間周りをメンバーの皆さんが囲んだ。
「よくベルのトリックに気付いたね」
「最初はびっくりでしたけどね」
「つかてめぇ、何でベルに攻撃しなかったんだぁ？ 勝負にならねぇだろぉ！」
そういう彼ににっこりと笑って見せた。
「だって今日守護者戦でしょう、余計な傷は作ってほしくなかったので」
それに、と続ける。
「戦ってるうちに怒り発散出来たんで、いいんです」
そういう私を皆さんは茫然と見ていた。
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桜もち(プロフ) - ２万hit突破してたー！すごく嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年8月3日 14時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - ヨーヨーさん» 大量更新すると言ったのに申し訳ありません(泣)まさか夏季課外なるものがあるとは……あと模試。高校怖い…今日からまた更新するのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年8月3日 10時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーヨー - 本当に面白いです！早く続きが読みたいです！！！！ (2017年7月19日 11時) (レス) id: 0e946961c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - かほさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！ほんとですか！？わぁ、光栄です！アンケート作った際にはぜひ投票ヨロシクお願いします！ (2017年7月12日 17時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 本当に面白いです！良ければ未来編の最後までお願いしたいです笑！大変だと思いますが…是非見てみたいです！ (2017年7月9日 23時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
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