144話 対面 ページ14
スクアーロさんに再び案内され、私は大きな扉の前に立っていた。
嫌に仰々しいその扉が、余計に不安を煽る。この先にXANXUSさんがいるらしい。
「失礼します……」
うわぁ、この緊張感、一番最初に応接室に入った時と似てるなー……
などと思って自嘲気味に笑いを零す。
中央に座っているXANXUSさんが私に気づいて顔をこちらに向けた。
「………」
………怖い、目が怖い。頼むから何か喋ってほしい。
けれどXANXUSさんが喋る気配はない。仕方なくおずおずと私は口を開いた。
「えっと……月の守護者の風切Aです、よ、よろしくお願いします……」
無言。ホントに頼むから無言はやめて下さい……！ 怖すぎる。
やっぱ、私が話すしかない？ でも何を話せば……あ、
「あの、姉がお世話になりました」
ピクリとXANXUSさんの眉が動く。
「知らなかったんですけど、ここに住んでたらしいので……」
「……てめーが、アレの妹か」
よ、ようやく喋ってくれた……。というか姉さん、アレ呼ばわりされてますよ。
「思ったより似てねぇな」
「よく言われます」
「で？ あのカスは今どこにいやがる」
姉さーん、アレからカスになりましたよー。
「うちにいます」
「……キャバッローネのとこじゃねえのか？」
キャバ…………なんか聞いたことあるような。
「はい、うちに住んでます」
そう言うと、また無言になるXANXUSさん。わぁあ、なんか喋ってってば………！！
じっと彼の赤い目が私を、見定めるように見た。
怖い、怖すぎるって！ 殺られるよ、これは獲物を殺る時の目だよ。
ははは、この人雲雀さんより怖い……半泣きになりながら、内心でそんなことを思う。
すると、ふと彼が話す。
「あのカスに言っとけ」
「え？」
その後、数秒の沈黙が流れる。
「やることなくて、ボケてんだったら…………戻ってこい」
「…………は」
XANXUSさんの言ったことが、理解できずに唖然としていると、ギロリと睨まれる。
「聞こえなかったか？」
「いっ、いえいえっ！！ 了解しました！」
私はすくみ上って、その勢いのまま「失礼しましたぁ！！」と逃げるようにその場を後にする。
そして、扉の前で考えた。
「戻ってこい、か」
あのXANXUSさんがそう言うなんて……姉さん、一体何者？
妹ですら実態のつかめない姉に向けて、私はその場でため息をついたのだった。
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桜もち(プロフ) - ２万hit突破してたー！すごく嬉しいです、皆様いつもありがとうございます！ (2017年8月3日 14時) (
レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - ヨーヨーさん» 大量更新すると言ったのに申し訳ありません(泣)まさか夏季課外なるものがあるとは……あと模試。高校怖い…今日からまた更新するのでこれからもよろしくお願いします！ (2017年8月3日 10時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
ヨーヨー - 本当に面白いです！早く続きが読みたいです！！！！ (2017年7月19日 11時) (レス) id: 0e946961c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜もち(プロフ) - かほさん» 褒めていただけてとても嬉しいです！ほんとですか！？わぁ、光栄です！アンケート作った際にはぜひ投票ヨロシクお願いします！ (2017年7月12日 17時) (レス) id: 840f834652 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 本当に面白いです！良ければ未来編の最後までお願いしたいです笑！大変だと思いますが…是非見てみたいです！ (2017年7月9日 23時) (レス) id: ecda9cfb15 (このIDを非表示/違反報告)
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