青春LOVERS～夏～ (ページ33)

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｢…っ…んっ…｣

走って帰ってダイブしたベッドで涙を流す。

俺、こんなに櫻井先輩のことが好きだったんだ。

潤くんが振られただけで俺が振られるなんて確証はないけど、男同士なんて無理だっていうマイナスな思考だけが俺の頭を支配する。

震えるスマホは多分心配したみんなからのメールだけど、それを読む勇気もなかった。

結局いつ泣き止んだのか、いつ寝たのかもわからず気付いたら朝。

みんなのメールには
｢もう大丈夫です。ご心配おかけしました。｣とだけ。

鏡を除けば目が腫れていて慌てて冷やして。

気をそらすためにあと少しの宿題を開く。

どれくらい経ったのだろうか。ピンポーンという俺の気持ちとは似つかない音が家に響く。

｢…はい｣

『俺、松本です。今…いいかな』

｢…どぞ｣

ドアを開けて立っていたの今は1番会いたくない人。

なんとなく部屋に呼ぶのは気まずくてソファーに案内する。

『昨日大丈夫だった？体調悪いって…』

｢大丈夫、ごめんね勝手に。紅茶でいい？｣

『あぁ…うん。』

そっとソファーの前のローテーブルに淹れた紅茶を置く。

そして少しの距離を取って俺もソファーに座った。