青春LOVERS～夏～ (ページ24)

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◆５８◆ ページ24

『ねぇ俺は分かってるよ？溜めてんじゃないんでしょ？』

｢…｣

この人ってどこまで俺のこと分かってるんだろう。

『気づきたくないから、気づかない振りしてんでしょ？辛いことに。でもさ、それって余計辛くなる。だからさ、誰かに行ってほしい。ぶつけて欲しい。迷惑なんて言わないからさ、』

｢ふっ…そうなのかもね。でも性格だから治せない、｣

『知ってる。だからさ、俺が聞くから聞いたら答えてよ』

｢なにそれ……ま、気が向いたらね｣

よし、と満足そうに頷いた相葉さんは俺の返答が肯定だと気づいたんだろう。

そうだ、小学校で俺がいじめられていた時も。

微妙な学区の違いで別の学校になったから相葉さんは詳しく俺のいじめについては知らなくて。

でも俺の顔を見ただけでなんかあったね、って胸を貸してくれたっけ。

そんなことがあった後も俺はバカみたいに強がって、それでも固まりきった気持ちをほぐしてくれたのはいつだって相葉さんだった。

恋愛感情でもなく、でもただの友達でもなく、そんな彼にだから話せることがある。

｢…ありがと｣

そう呟いた俺の声は相葉さんの気持ちよさそうな寝息にかき消されて。

まあ俺らの関係って、こんなモン。