青春LOVERS～夏～ (ページ20)

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俺は中学に入学して早々いじめられて、
というか小学校から同じやつも多かったからその延長。

そのムードに乗せられたのかクラスみんなから無視されるようになって、何かあったら全部俺のせいにされて。

そうなったのは入学から１ヶ月も経たないころ。

それでも1人だけ、俺に話しかけてくるやつがいた。

それが、潤くんだった。

『ねぇ、二宮くんってば。』

｢…なんですか。｣

『なぁ、あれはお前やってねーだろ？』

｢アンタには関係ないじゃないですか。そういうことにしとけばいいんですよ。｣

ふーん、って納得してなさそうな顔。

多分俺のせいだったんだよね。
俺と仲良くしてるから気に障ったんだろう。

俺が体育館倉庫で水をかけられて寒くて震えながら歩いていたら、帰り道の公園で潤くんもそいつらにホースを向けられそうになっていた。

なんでかな、やめろって叫んでた。

多分、俺のせいで他の誰かが傷ついたら俺の少しだけのプライドが壊れそうだったから。

こっちに気づいたそいつらはもう一度俺にビシャビシャに水をかけて立ち去った。

｢松本、くんだっけ。｣

『う…ん。』

恐怖が溶けたのか潤くんの声は震えていた。

『ごめん、俺のせいで…』

｢いや、元をたどれば俺だし。元々濡れてたし慣れてるから。｣

多分この時俺微笑んだんだよね。
そしたら潤くんが｢辛いのに笑うな、そんなのに慣れるな、泣きたい時は泣け｣って。

この日から俺は少しずつ潤くんに心を開いて、潤くんも俺を人一倍気にかけてくれるようになった。