青春LOVERS～夏～ (ページ12)

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驚いて固まっていればこちらを向いた智先輩と目が合う。

『あ、』

困ったような顔で微笑む智先輩に会釈を返す。

『ニノはどうしたの？』

｢潤くんが…偏頭痛で。そこに寝てるんですけど｣

『あぁ…大丈夫？』

あれを大丈夫と言えるのか分からなくて苦笑いで返す。

｢櫻井先輩は…？｣

『いつもの事だから、まあ大丈夫かな。』

｢いつもの、こと？｣

智先輩は聞き返した俺への返答はなく、ただ目を伏せて頷いただけだった。

『ニノ！お前の荷物、これ。！』

｢あ、斗真くん。ありがと、｣

飛び込んできた斗真くんが俺の荷物を渡してくれて。

潤くんのベッドに連れて行けば潤くんが目を開ける。

｢起こしちゃった？ごめんね｣

『んーん、大丈夫』

なんて言葉を交わしていれば仕切りのカーテンの隙間から今度は智先輩が顔を出す。

『翔くんの家の人が迎えに来るはずだから潤くんも乗せてってもらおうか。』

｢いや…でも。｣

『大丈夫大丈夫。』

やっといつものようにふにゃっと笑った智先輩に押されて気づけばみんなで櫻井先輩の車に乗っていた。