瞳の奥の本当のキミ３【Ｓ×Ｎ】 (ページ6)

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Episode ６６ページ6

吐いたからなのか、体調が悪いからなのか。

まだ少しフラフラしながら補習を行って、

｢ここ解いて。分からなかったら手を挙げてください。」

ちらほら上がる手に答えていく。

いつも全力で分からない相葉は家で聞けると思っているのかもう窓の外を見ている。

質問が途切れて教壇に手をついてはあっと息を吐く。

なんだか頭も締め付けられるような感覚がして思わずこめかみを押した。

｢先生！｣

また呼ばれて生徒の方へ歩く。

先生になったからにはきちんと分かるまで教えてあげたい。それはずっと思っていること。

わかりやすい、と言ってもらえるように。

チャイムがなってもわからない所を聞きに来る生徒は多くて、並んでもらってなかなか回らない頭で説明していく。

質問の列が途切れて教室を見ればもうみんな帰っていて椅子からゆっくりと立ち上がる。

目眩がして慌てて手をついた机がキシ、と音を立てた。

熱も上がってきた気がして教員室の手前にある保健室も覗けば潤がいる。

｢あ、翔くん？｣

この安心する声を聞いたあとの記憶がない。