瞳の奥の本当のキミ３【Ｓ×Ｎ】 (ページ28)

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Episode ８８ページ28

｢しょーくーん！起きて！｣

｢ん…潤？｣

あ、合宿に来てたんだっけ。

｢お昼ご飯だけど行けそう？夢見なかった？｣

俺がここで寝ていたって時間は流れて、スケジュールはこなされていく。

そんな当たり前のことに今更気づいて。

｢うん、行くよ。久しぶりにスッキリ寝れた。ありがと｣

｢なら、良かった。｣

安心したように微笑む潤。

でも、俺は勘づいてる。

多分俺は…今日の夜、夢を見て記憶を取り戻す。

夢を見る度に少しずつ景色が鮮明になっていく。

そんな予感は当たるもので、その日のスケジュールをすべて終わらせて生徒達が就寝して俺らも部屋に戻った後…

布団に入って目をつぶった途端ガンガンとする頭痛に襲われる。

｢……っ…った……ぅ…｣

｢翔くん？！｣

慌てたような潤の声が頭痛の外で聞こえてきて。

｢いったい……｣

痛い痛い、と繰り返すことしか出来ずに枕に顔を埋める。

多分潤が背中をさすってくれたりしてるんだろうけどそんなことまで気が回らなくて。

｢んん…っ｣

痛みで意識を失ったのか、疲れて眠ったのかなんて分からなかった。