青春LOVERS～春～ (ページ32)

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次に起きた時はもうベッドに戻っていて櫻井先輩の姿はない。

もう日は沈んでいて机の時計は6時半を指している。

体が熱くて久しぶりの高熱の予感。

｢っはあ…｣

机の上の体温計に手を伸ばすのでも半分くらいの体力を使ってしまった気がする。

体調が悪いと人肌が恋しいと言う人の気持ちがやっと分かる。

とにかく熱くて暑くて、スウェットに汗が染み込んでいるのを感じるけど動く気も怠くて起きない。

もう1度ベッドで丸くなる。

コンコン。

｢あ、ニノ起きちゃった？お粥食べれるか？｣

｢…っ暑い、｣

『あ、冷えピタ替えようか。多分上がりきったから大丈夫、もうすぐ下がるよ。』

きがえやら何やら手伝ってくれて、櫻井先輩が来てくれてよかった、なんて。

『親御さん、いつ帰ってくるの？』

｢あ…今日は、夜勤、…からわかんな、です｣

『そっか。無理に喋んなくていいよ。ちょっとおかゆ食べて薬飲むか。』

小さく頷くと、取ってくるねって出ていった。

すぐ戻ってくるって分かってるのに一人になった部屋は何故か広く感じて心細くて。

｢櫻井先輩…。｣

小さな声で呼んでも聞こえないことはわかっているはずなのに、返事がないことに不安になる。

相葉さんでも潤くんでも智先輩でもなく、櫻井先輩が恋しい。

この気持ちはなんだろう…。

不安と疑問でごちゃごちゃな頭。

｢…ニノ、もってきたよ…？｣

お粥を手に入ってきた櫻井先輩をみて安心して何故か涙がこぼれる。

慌てて拭おうとした手を掴まれて戸惑っていれば、ギュッと櫻井先輩の温もりが伝わってくる。

『…一人にしてごめん。』

｢…、いえ…｣

多分熱のせいではない何かが原因で心臓がバクバク言っているのが分かる。

そっと先輩が俺から離れて、お粥を冷ましているのが見える。

『あーん』

｢…ん、あー｣

どうしていいか分からないままお粥を食べさせられていて薬も飲まされたみたい。

気づいたら眠りに落ちていた。