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周りの目なんて気にせずにまたホームの真ん中まで全力で走って左側に歩みを進める。


一番端っこのベンチに小さく丸くなった背中を見つける。

「潤くん!」


こちらに向いた眉間にシワのよった顔は紛れもなく潤くんで。

「ごめんね…辛かったのに気づけなくって。」

ふるふると首を横に振ってくれたけど喋るのも辛いのかそのまま膝に頭を乗せて抱えてしまう。

「薬効かない?持ってる?…ってもう飲んだか。落ち着いたら立てるかな…タクシー使おう。俺の家来ていいからさ。」

小さく頷いたのを見て支えて立たせる。
それだけで響いたのか俯いて顔をしかめる姿はいつもの潤くんとは大違いだ。


下校する生徒が多い時間とは少しずれたおかげで誰にも会わずにタクシーにのりこめた。

俺に凭れさせるようにしてあげて、ようやく潤くんが発した言葉はごめん、で。


俺が返事に迷っているあいだに潤くんは目を閉じていた。




無言のまま家の前にたどり着いて家のソファーに寝かせる。
潤くんが家に来るなんていつぶりだろう。


『…ごめん。』

「いいって…俺こそごめん。冷やそうか?今日は母親が割と早いと思うから治まらなかったら診てもらおう。」

冷えピタを貼ってあげれば少し落ち着いたのかこくりと頷いてそのまま眠りに落ちていった。

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作者名:みーたん | 作成日時:2017年12月19日 22時

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