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放課後、ここだけ教えて!って言ってきた子がいて。

俺を待ってくれている潤くんに、もう少し待ってもらえる?、と声をかける。

『…ごめん、先帰るわ。』

「え?」

いつも先に帰るなんてもちろん、俺を1人で教室に残すことだってほとんどないのに。

戸惑う俺のことを避けるかのようにくるりと背を向けて教室を出ていく。


『えーっと大丈夫?』

「…チャチャッとおわらせようか。」

急ぎめで解説して荷物を掴んで教室を飛び出した。



学校の外に出てしとしと降る雨を見て、偏頭痛、という言葉がやっと俺の頭の中に浮かぶ。
昔から偏頭痛持ちの潤くんは低気圧の日はいつもつらそうだった。

いつも俺の隣にいてくれる潤くんの変化に気づけなかったことが悔やまれる。

折り畳み傘を出して駅までできる限りの全力で走る。
あの様子なら電車には乗れてないだろうな…。


なかなか綺麗にたためない折り畳み傘と出てこない定期ケースにイライラしながら改札を通過する。

ホームの真ん中から右側へ曲がって端まで行ってもいなくて、自分の心臓がバクバクしているのが分かった。

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作者名:みーたん | 作成日時:2017年12月19日 22時

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