Winter days【12/24HBD小説(完結)】 (ページ4)

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我を忘れて立ち尽くしていた俺は迫る時間を思い出して慌てて駅前の交差点を斜めに渡る。

｢ごめん！遅くなった！！｣

｢まーくん、遅い。｣

待ちくたびれてご機嫌斜めの君が話すたびに白い吐息が漏れる。

｢ごめんって｣

いつもならもっと嫌味を言ってくるはずなのに少し俯いて黙ってしまう。

ふと腕時計を見れば朝礼まであと10分で。

走ればなんとか…と思って寒さでかじかんだ君の手を取って走り出す。

しばらく走ったあとで君が俺の名前を呼んだ。

｢はぁっ…まっーくんっ…｣

速すぎたかな？と思って後ろを振り向けば

｢…あのさ…まーくん、誕生日おめでと…｣

｢あ、今日俺誕生日か！和、ありがと！｣

寝坊して慌てて自分の誕生日なんてすっかり頭から抜けていた君から俺へのプレゼント。

俺が満面の笑みになったのを確認して俺の手を引いて先に走り出す。

その頬と耳は寒さと照れで真っ赤に染まっていて。

俺はその手を離すまいとぎゅっと包み込み直して学校までの道を二人で走った。