次元夢小説:｢プリンセス？いや、クイーンでしょ。｣

Ep.24 ページ26

｢.....ｯ..｣



また気を失ってしまった。
急に胸が焼けるように熱くなって、吐き気がして耐えられなくなる。
これは..風邪なんかじゃない。
薄々、どこかで気づいてはいたのだ。



からくりは簡単。
あのヘリの黒い塗装には特別な液体が混ぜられていて、その液体と私ですら知らなかった私の胸にある刺青が反応する。
その副作用に耐えきれず、いつも倒れてしまうのだ。
そしてきっと、組織はそれを目印に私を探してやってくる。



｢A...気がついたか。お前さん、またぶっ倒れちまってよ。ルパン達とは後でちゃんと合流する。｣



私を抱えて息を切らしながら走る次元は、私が何も言わずとも全て答えてくれた。



｢......ごめんなさい...ごめん、なさい.....｣



私なんかのせいでルパンの一味をバラバラにして、迷惑ばかりをかけている...そんな思いは、昨日よりずっと私の頭の中を...いや、心を侵食していた。



｢なに、謝るこっちゃねぇさ。
こんないい女と逃げる旅もなかなか悪くねぇ。｣



｢....次元..貴方、そんなことも言えるの？｣



｢失ってからじゃ遅いって気づいたんだよ。｣



こんな大変な状況なのに、次元からの急なアプローチにカッと顔が熱くなる。
.....待てよ。違う、これは恥ずかしいからだけではない。



この胸の痛みは..近くにヘリがいる！！！



｢次元...!!後ろ、うしろに追っ手が!!!!｣



｢もう来やがったか....振り落とされるんじゃねぇぞ...!!｣



もっと、もっと遠くへ逃げなければ。
誰も来ない2人だけになれる場所。
何としてでも逃げきって、次元にちゃんと言うんだ。



.



______愛してる__



.



って。

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