検索窓
今日:11 hit、昨日:6 hit、合計:12,559 hit

思い焦がれてときめいた【仮野明日那】 ページ9

「あっ、Aちゃん!」


特徴的な声にぱっと振り向けば、白いナース服を身に纏う、とっても可愛くてかっこいい大好きなひと。
わたしが車椅子を動かして明日那さんの前まで行くと、明日那さんはぽんと頭を撫でてくれた。


「今日はもうリハビリ終わった?」


頷けば明日那さんはそっかそっか、と笑う。

わたしが車椅子に乗ってリハビリを日々行っているのは、足を滑らせて大きめの怪我を足に負ってしまったからだ。
骨は折れてしまったものの、幸いだいぶ綺麗に折れたらしくてあまり痛くはなかったし、回復もかなり早い。
よかった、と思うべきなんだろうけど、回復が早いということは退院も早いということで。

明日那さんはここで働いている看護師だから、退院したらもう会えなくなってしまう。
明日那さんに会いに病院に来るのも変だけど、だからといって他の場所で会えるわけでもないし。


「どうかした?」


ふいに、顔を覗き込まれた。
突然視界に入ってきた整った顔にびくりと肩を揺らして、だ、大丈夫ですと言う。


「それじゃあ、わたしはお仕事に戻るね」


そう言いながら手を振られて、一生懸命振り返す。
少しだけだったけど、今日も明日那さんに会えたから幸せだなぁ、なんて思いながら病室に戻った。



それから、もうだいぶ回復していたこともありすぐに退院になった。
まだ完璧に歩けるようにはなっていないけれど、もう捕まって歩くことはできるので、あとは家でリハビリをすればすぐに歩けるようになるでしょう、とのこと。

明日那さんとはお別れ。
仕方がないのはわかっているけど、もう一度だけ会って話せたら。
そう思って退院までの間病院内を回ってみたけれど、残念ながら明日那さんには会えず、わたしはお別れもできずに退院になってしまった。

それから、わたしが家でのリハビリに励む間、世間は大変なことになっていたらしい。
わたしはリハビリも兼ねての散歩くらいしか外に出ないし、家族もわたしのサポートと仕事に付きっきりで忙しかったことで、幸いにも''大変なこと''に巻き込まれることはなかった。

リハビリが終わり、綺麗に歩けるようになる頃には仮面ライダークロニクル、なんていうゲームは絶版。
周りからいなくなった人はいたもののそこまで多くもなく、世間は元通りになった。

次ページ→←幸せになれるならば【パラド/永夢】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (20 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
35人がお気に入り
設定タグ:エグゼイド , 特撮
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:L | 作成日時:2022年3月18日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。