【短編集】あなたのための物語【仮面ライダーエグゼイド】 (ページ22)

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真意も真偽も闇の中【九条貴利矢】ページ22

「おーい、メシ何がいい？」

手に持った袋をがさりと机に置いて、CR内にいる同僚に声をかける。
机に向かってパソコンを見ていた永夢が、色々ありますねーと袋を覗き込んで言った。

「俺はこれを貰う」

大先生が苺とクリームを挟んだサンドイッチを掴み取り椅子に座る。
相変わらずすげー甘党だな、と思ったが、自分の言えたことではない。
筐体の方で遊んでいたポッピーとパラドも駆け寄ってきて、あれがいいそれがいいと騒ぎ始めた。

「あ、これはAちゃんのですよね」

ふいに、永夢がツナマヨおにぎりを手に取ってそう言った。
AはCRにいるバグスターだが、今はいないみたいだ。
コンビニに行こうとCRを出る前にはいたのに、一体どこに行っているのやら。

永夢の言葉に首を傾げて記憶を思い返す。
確か、Aは鮭おにぎりが好きだったはずだ。

「鮭じゃなくて？」

「えっ、ツナマヨが好きだって聞いたんですけど」

「私はいくらが好きだって聞いたよー？」

思い違いかな、と首を捻る永夢と、私も私もと言うように乗ってくるポッピー。
ハムサンドを食べていたパラドまで、焼きそばパンが好きだって言ってたぞ、なんて言い出して、自分はさらに困惑した。