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漆拾弐 冷や汗 ページ22
彼は静かに出来事を見守っていた
中島の言う通り、刺青は霊倭の藩主が認めた人間のみに入れる刺青
彼にはその刺青が入っていたのだ
だから、なんだと言うのだ
脱藩して来たと言い訳をすればいい
自分はもう丙星の人間であると言えばいい
しかし、言えなかったのだ
冷や汗が出てくる
入れたくて入れたわけではない刺青
この刺青は強制的に入れられるものなのだ
押さえつけられ、下手に暴れては喉を切られる
その恐怖を思い出させる
一人一人が脱いで確認する中、ただ静かに見守っていた
そして彼の番が来た
伊野尾「…脱げるかい」
伊野尾の言葉に無言で見つめる
山田「…失礼するよ」
伸ばしてきた山田の手を振り払い、立ち上がる
そして脱いでその刺青を見せつけたのだ
薮「その刺青…」
伊野尾「説明してくれるかい、知念」
知念「…おっしゃる通りです。
僕がこの二人を見続け、圭人を斬り殺した本人です」
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作者名：慧jump
| 作者ホームページ：http://wakabassl
作成日時：2022年6月1日 8時
