桜舞い散る中、ただ守り続けたいものがある (ページ8)

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捌　刀ページ8

山田と高木がつくと伊野尾が座っていた

　
その前には多くの年寄が頭を下げている

伊野尾「…頭をあげよ。

今、私が呼んだ者たちが来た」

伊野尾がそう言うと年寄たちは顔をあげた

　

伊野尾「最近、丙星を騒がしている辻斬り事件は知っているな。

霊倭の刺客が皆死んでいくもの。

辻斬りをしているのは…そこの二人であると私は考える」

その言葉に山田は目を見開いた

現場を見られたわけでも、自分から話した訳でもない

それなのに斬りつけと当てられたからである

年寄たちがざわつき始めた

このままでは殺される

そう覚悟した山田は頭を下げた

山田「…藩主様のおっしゃる通りです。

切腹なら、承ります」

伊野尾「いや、腹を切って貰うために言いに来たわけじゃない」

高木「では、なんのために」

伊野尾「裕翔」

中島「失礼致します」

中島は一瞬の間に山田から刀を奪った

そして…その場で抜いた

伊野尾「…逆刃刀だね、誰も斬りつけることは出来ない。

もう一人はどうだ」

高木は刀を盗られないように握りしめる

高木「…刀を抜くことは勧められません。

藩主様を…斬り殺してしまう可能性があるので」