桜舞い散る中、ただ守り続けたいものがある (ページ7)

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漆　城ページ7

山田「…ここでいいんだよな」
　
　

高木「改めて見ると大きいね」

山田と高木は城を見上げる

眼前には大きくそびえ立つ城があるのだ

山田「ここで待ってろって言われたけど…誰か迎えにでも来ると思うか」

高木「どうだろ…そもそも藩主様が認識されていら…何してるの」

山田は高木の言葉の途中で刀を抜いて後ろに向かって振った

中島「お迎えにあがりました、山田様、高木様」

山田の後ろにいたのは伊野尾のお付、中島であった

山田「…後ろに立ちながら殺気を放つのはやめてください」

中島「大変申し訳ございません。

では、こちらに」

中島は背を向けて歩き出す

山田はは刀を鞘にしまい、高木と後を追いかけた

中島「今から向かう部屋には年寄様が大勢いらっしゃいます。

くれぐれも御無礼のないように。

…いくら伊野尾様が藩主とはいえ、昔からいる年寄の方が発言権は強いのでね」

高木「それ、聞かれる方が危険なのでは」

中島「構いません。

どうせ無くなるだったはずの命、伊野尾様のために死ねるのなら」