桜舞い散る中、ただ守り続けたいものがある (ページ40)

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肆拾　宏い太陽の光りページ40

早稲と八重は申し訳なさそうに俯く

　
有岡「…どう言うことですか」

伊野尾「先ほど、店主を斬ろうとした時お互い違う名で呼んでてね。

おそらく早稲と八重がこちらで使うには都合のいい偽名だったのだよ。

　

二人とも丙星の脱藩者と言ってたから本当の名の方は使いにくいのだろうね」

中島「…なるほど」

伊野尾「名を明かしてくれたのであればこちらから手筈を取ろう。

二人が丙星でも暮らしていけるように」

早稲「…でも、そんなことしたら家族が」

中島「霊倭の戯言を信じるのか」

そこで口を出したのは中島であった

中島「近々で家族に会ったか。

会ってないのなら疑え、殺されていると」

その言葉に早稲の目が見開かれる

早稲「…殺されて、いる」

中島「霊倭の話の内、どれが真実でどれが虚偽かはわからない。

だから、家族が殺されたかもしれないという考えを真実と捉え、霊倭を打ち破る力となってくれ」

早稲と八重は互いに目を合わせる

そして

早稲「…薮、宏太」

八重「八乙女光」

互いに名前を言った