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参拾伍 影武者 ページ35
一同は顔に出さずとも驚きを隠せない
山田でさえ見分けられない霊倭の者がいることを受け止められていないのだ
その間に早稲は刀を抜いて有岡の後ろにまわり、その刀を首に当てた
中島「何を…」
早稲「藩主の首を持ち帰れば俺たちは自由になれる。
もう霊倭に縛られなくてすむんだ」
そう言いながらも早稲の手は微かに震えていた
人を殺すと言うことに抵抗を感じているのだろう
八重「やめろ、薮…」
早稲「もう後には引けないんだよ、光」
伊野尾「…もういいよ」
伊野尾がそっと言う
早稲と八重が何事かと思った瞬間、有岡は早稲の脛を蹴り体勢を崩させた
そして早稲の腕を背中の方に捻り、刀を落とす
早稲「…どう言うこと、だよ」
伊野尾は早稲と目線を合わせて
伊野尾「…俺が本物の丙星の藩主、伊野尾慧さ」
と言った
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作者名：慧jump
| 作者ホームページ：http://wakabassl
作成日時：2022年5月7日 9時
