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参拾肆 あの人 ページ34
そして時間は戻り、今現在となる
有岡は伊野尾から話を聞いており隙を見せないように振る舞っている
早稲「…あなたは」
しばらく黙っていた早稲が口を開く
早稲「藩主様は霊倭へ脱藩した者に対してどのような措置を取りますか」
有岡「…脱藩したのかい」
早稲は黙る
八重「…俺と、早稲の家族が」
早稲「八重、余計なことを言うな」
八重「藩主様、願えば俺たちを丙星の者と認めてください。
そうすれば…命など狙いません」
八重は涙を流していた
山田は衣からこの二人は立場上、霊倭にいるしかないが心は丙星の者であると言っていた
伊野尾はそれを信じているのだ
早稲「八重、それ以上喋ったらあの人の元に首を届ける」
八重「早稲…」
有岡「…あの人」
有岡がそう聞くと早稲は口角をあげる
早稲「丙星の藩主であろう人が霊倭の潜り者を見分けられないなんてな。
あの人は…いつまでも俺たちを見張っているんだ」
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作者名：慧jump
| 作者ホームページ：http://wakabassl
作成日時：2022年5月7日 9時
