桜舞い散る中、ただ守り続けたいものがある (ページ4)

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肆　無礼ページ4

有岡「つまり、お客さんは丙星の藩主でこの二人が藩主に向かって暴言を吐いたと…切腹しろよ」

「いいよ、全部事実だからさ」

　
くすくすと笑う男性

　

「改めまして。

丙星藩主の伊野尾慧と言います」

高木「御無礼してしまい、申し訳ありません」

伊野尾「いいよ、滅多にない体験だったからさ」

伊野尾慧は足を組みなおした

伊野尾「父が滅多に人前に出さなかったからね。

そのせいか色々な噂が出回って」

高木は伊野尾をじっと見つめる

確かに女の姿をしたのであれば見間違えるほどであろう

山田が伊野尾に声をかけようと口を開いた時、後ろから人の気配を感じ取り咄嗟に振り返って刀を首に添えた

伊野尾「あ…裕翔」

山田「…ご知り合いでしたか」

中島「伊野尾様のお付、中島裕翔と申します」

淡々と言う中島裕翔に山田は刀を鞘にしまう

山田「…驚かないのですね、刀を首に添えられても」

中島「…えぇ、驚きません。

伊野尾様、年寄様がお呼びです。

帰りますよ」

伊野尾「…そうか、残念。

また来るね」