桜舞い散る中、ただ守り続けたいものがある (ページ16)

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拾陸　早稲と八重ページ16

有岡「おかえり、山田」

　
有岡は帰ってきた山田に声をかける

その近くには客であろう二人が座っていた

高級そうな布と刀が見える

　
山田「…お客さんかい」

有岡「あぁ、江戸から来たんだって」

客は山田に気づいたようで会釈をする

高木「おはよう…お客さんなの」

有岡「さっきも同じこと聞かれたよ」

有岡は呆れながらも高木に説明する

すると客は立ち上がって二人の前に立った

「江戸から参りました、早稲晃と申します」

「同じく江戸から参りました、八重駈と申します」

山田「山田涼介と申します」

高木「高木雄也です」

有岡「甘味処の店主、有岡大貴です」

早稲「ここの甘味は美味しいですね。

気に入りました」

山田「何故、わざわざ江戸から丙星にいらしたのですか」

山田は早稲に聞く

早稲「江戸だけではなく他の藩はどのような活気に溢れているのか気になりまして。

もちろん脱藩ではありません」

八重「晃、行こう。

他の店も見てみたい」

八重は声をかける

早稲「わかった。

それではまた」

二人はそう言って店から出ていく

高木「どうだった、山田」

高木は山田に耳打ちをした

山田「…裕翔の衣と同じ。

透明で端が血まみれ」