どうしよう、これ【歌い手】

episode15 ページ17

まふまふside

ご飯を食べ終わって食器を下げてからそらるさんにLINEをする。

そらるさん、あのですね、協力して欲しいことがありまして…

そらるさんん、何?

実は…

と、今どこにいるのか、どんな人に助けてもらったのか、と言うのを話して、ストーカーを捕まえるのに協力して欲しい、と送信した。

そらるさん分かった、協力する。

そらるさんでも、その人リスナーさんじゃないの?

と言うLINEで、ハッとした。

そうだ、Aちゃんはリスナーさんかもしれないんだ。…どうしよう。

迷った末に、本人に聞くことにした。

｢Aちゃん｣

と洗い物をしている彼女に声をかける。

水音が響いているせいで若干聞こえづらかったのか、

｢何、なんか言ったー？｣

と多少声を張り上げるようにして聞いてきた。

…リスナーさんじゃなければいいのに。

そう思いながら聞いた。

｢…歌い手の、まふまふって知ってる？｣

｢知ってるよー？｣

それがどうかしたのか、というような顔で言われた。

知ってるのか。ずっとこれからも普通の友達として仲良くし続けたかったのに。まふまふってわかった上でずっとこうやって接してたのかな。

そう思った時に、

｢でもね、リアルで何色の髪をしてて、どれくらいの身長で、どんな感じの服を着てて、どんな人なのかって言うのは知らないの。

私はあの人の歌とかあの人が作る曲の世界観とか、そういう物が好きで聞いてるから｣

まふまふってバレてない！？マジで…？

｢あ、そうなんだー。僕もあの人の曲、好きなんだよね｣

って相づちをうった。そして、そらるさんに

リスナーさんですけど、僕のリアルの格好とか知らないみたいです!バレてないです!

と送信した。しばらくすると

そらるさん安心じゃん。

と返ってきた。とりあえず、日時とか、細かいことを伝えた。よかった、これで安心。

と思っていると、Aちゃんが

｢…もし真冬くんが、例えば、アイドルとかだったとしてもさ、今のここにいる真冬くんはただの『相川真冬』だから。大丈夫だよ｣

と言ってきた。…バレたのかな。どうしよう。

｢…なんてね！余りにも真冬くんがまふまふさんのことを聞く時に真剣な顔して聞いてたからさ｣

ごめんね、ちょっとからかった、なんて笑うAちゃんはやっぱりかわいかった。

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歌い手さん秘蔵映像

｢タッピオカータッピオカー｣ルンルン96猫さん

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