カレー -YS- ページ27
YS-side
しばらくすると、美味しそうなカレーの香りがしてきた。
「お待たせしました〜(*´-`)」
テーブルにカレーとサラダが運ばれてきた。
YS「いただきます」
Aが作ったカレーはメチャメチャ旨かった。
YS「・・おいしい。マジで。お世辞抜きで」
「良かった〜まだあるんで、おかわりしてくださいね！」
YS「料理、好きなのか？」
「うーん。好きですね。高校生の時はお母さんもお姉ちゃんも帰り遅かったんで、夕飯の支度はほとんど私だったんですよー。お店でも厨房の手伝いしたことありますし」
気づけば、Aは俺が食べるのをニコニコして見てる。
YS「Aは食べないのか？」
「食べますけど・・」
なんだ、どうしたんだ？
「この部屋で、誰かと一緒にコーヒー飲んだりご飯食べるの、初めてだなぁ〜って」
YS「え？」
「普段はお店にいるんで、早番とかお休みの日とかはいつも１人で食べてたから・・」
そうか・・初めての一人暮しって言ってたっけ。
新しい店が開店したばかりで。
家族や友達もみんな日本で。
もちろん食事も１人なわけで。
公園で会った時だって、ホームシックで泣いてたんだもんな。
YS「また俺が食べに来てもいいか？」
「・・・・・」
Aの切なそうな顔を見ていたら、つい言ってしまったが・・
キョトンとしているA。
「キムさん、恋人とかに怒られませんか？」
あ、そっちの心配か？
俺は今、女とか恋愛に興味ないし。
YS「心配するな。今、いないから。でもAも簡単に男を家に入れちゃダメだぞ。女の子の一人暮しなんだから」
「キムさんだって男の人なのに」
YS「あっ、そっか・・」
顔を見合わせて笑ってしまった。
で、俺の質問にはスルーなわけね・・
Aは・・なぜだか分からないが、守ってやらなきゃって、そんな気持ちにさせるんだよな。
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作者名：紫桜雲
| 作成日時：2016年1月22日 20時
