彼女の部屋 -YS- ページ20
YS-side
YS「この布団どこに置けばいい？」
「あ、このクローゼットの前で・・」
言われた場所に降ろして腰を伸ばす。
「すっごい助かりました！ありがとうございました！」
YS「ん・・」
少し広めのワンルーム。
小さめのカウンターキッチンにテーブルとイスが2脚。
奥は本棚を兼ねた間仕切りがあって、その向こうには花柄のカバーをかけたベッドが半分見えていた。
「キムさん、コーヒー淹れますから飲んでってください」
YS「あ、ああ・・」
しまった・・
思わず部屋を見回してしまった・・
成り行きで、上がり込んでしまったが、女の子の部屋なんて何年ぶりだ？
もう遠い遠い記憶の彼方だ。
──Aらしい部屋だな。
ナチュラルな木目のカントリー風の家具。
カーテンは薄いピンクベージュ。
全体的に淡いカラーの物が多い。
あまりゴチャゴチャと物は置いてなくて整理されている。
「物が少ないなって思ったでしょ？」
YS「いや、きちんと片付いてるなって」
「こっち来て、まだ買い物とかも行ってなくて。向こうから運んだ物も少なかったし」
YS「そっか・・」
小さめのローソファーの向かいに、サイドボードがあってテレビやパソコンが乗っている。
その横の壁にコルクボードがかけてあり、何枚もの写真が貼ってあった。
YS「これ、日本にいた時の写真か？」
「そうです(*´-`)」
コーヒーをマグカップに淹れ、テーブルに置いた彼女が近付いてきて。
振り返ると、俺の肩近くに彼女の顔。
いつも夜に会ってたから・・
明るい所で、間近に彼女の顔を見るのは初めてだな。
背、ちっちゃいな。
顔もちっちゃくて、肌がすごく白い。
目がクリクリしててコミンみたいだ。
あれ。なんかデジャヴ。
──トクン・・
ん？
なんだ？
なんなんだ、この心臓の音は・・？
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作者名：紫桜雲
| 作成日時：2016年1月22日 20時
