思い出(ドルドラ)〜2〜 ページ44
side ベックマン
キッチンに行ってお茶を用意し、部屋に戻れば───
「なんでAは、寝てるんだ....？」
イスにもたれかかるように、眠るAの姿が目に入った。
リズムの良い呼吸音を聞いていれば、なんだか此方もつられて眠くなってきそうな程、気持ち良さそうだ。
そういえば、Aは昨日見張り番だったなぁ〜。
それなのに、朝から早く起きて「鍛錬は欠かせません！」とか言って体を動かしていた。
「たまには、休め！」といくら言っても「動いている方が落ち着くんです」なんて言い返され、聞きやしない。しかも笑顔で言ってくるから、こちらはため息をもらすことしか出来ず、タチが悪い。
「こんなことでもないと....ゆっくり休まないだろうな」
俺は寝ているAを起こさないよう、そっと毛布をかけた。
ふと見えたAの寝顔に、何故かトクリと心臓がなる。
「俺もお頭の事は言えないらしい」
思えば、Aと言うのは不思議な青年だ。
まだ、出会ってからそこそこしか経っていないというのに、まるでずっと前から仲間だったようなそんな親しみと安らぎを感じさせる。
それは、たぶんAの人柄によるものだろう。優しいだけではなく、人の感情を読み取り理解するのが早く、共感をする事ができる。
側にいると心地良いのだ。
______だから、コイツの側には人が集まるんだろうなぁ〜。
「.....ぅ....ん」
ん？起きちまったか？
俺はAの様子を見るように、そっと覗き込めば先ほどとは違う意味で胸の音が鳴った。
Aの眠った顔に一筋
たった一筋だが涙がつたっていたのだから。
「....ご....なさい....兄....さん」
うなされるように身動ぎながら、Aの口から聴こえてきた言葉。
強いコイツが涙を落とすなんて....
_____一体、お前に何があったんだ？
「なんで、謝ってんだ？」
いつのまにか、俺の口からも言葉が紡がれていた。
泣くな.....
Aの哀しそうな苦しそうな顔を、これ以上見たくなくて、俺はゆっくりとAの頭を撫でる。
泣くな───！！
「....大丈夫だ。お前は何も悪くない──！」
Aが少しでも、穏やかな気持ちで過ごせるよう、
起きている時も
寝ている時も
コイツが哀しそうなら
苦しそうななら
俺は何度でもAの頭を撫でるだろう。
少しでも幸せを感じられるように───
※
更新遅くなってすみません。来週からはペース戻せる予定です。
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奏(Kanade)(プロフ) - 天然水さん» ん？？ エースは白ひげですが、6章の時点ではエースはまだ、白ひげに入っていない時期設定にしてますよ^ ^8章くらいでようやくエースは、白ひげに加入してますので、そこら辺まで読み進めていただけると嬉しいです(*^^*) (2022年7月27日 20時) (
レス) id: 04bd4eadaf (このIDを非表示/違反報告)
天然水 - エースは白ひげ海賊団ですよ (2022年7月27日 19時) (レス) @page15 id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - 本当にすいません、ありがとうございます！ (2019年1月4日 23時) (レス) id: 2200da3900 (このIDを非表示/違反報告)
Kanade(プロフ) - なこさん» いえいえ、こちらこそ配慮が足りずにすみません。7章フラグを外しまして、R話は引っ越ししましたので、見られるようになっていると思います。もし、見ていて何かありましたら、いつでもご指摘くださいね(^^) (2019年1月4日 3時) (レス) id: 30b1d9cda3 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - Kanadeさん» そんなご丁寧にすいません…その優しさが嬉しいです！本当にすいません (2019年1月3日 21時) (レス) id: 2200da3900 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年4月21日 22時
