48.独占欲〜2〜 ページ48
「おつかれさまでしたぁー」
挨拶をして食堂を出ると、そこにはもうカクさんが待っていた。
「すみません。待たせてしまいましたか？」
「いや、わしが勝手に早くきたんじゃ。Aは気にせんでいい」
そうは言っても、申し訳ない。まさか、待たせてしまうなんて……
あれ？
なんだろう？
カクさんの様子がいつもと違う気がする。
気のせいだろうか……？
「夕飯はまだか？」
「はい」
「なら、まずは食事に行こうかのう」
私たちは、最初に会った酒場に向かう為に歩きだす。向かう道でもカクさんは、変わらず優しい。
でも、やっぱり何か違う。
カクさん、怒ってる？
いや、そうじゃない。怒りだけではなくてーー
なんというのだろう……なんだか哀しそう。
そんな言葉が思いあたった。
「あの、カクさん！ 何かあったんですか？」
私は足を止め、意を決して尋ねる。
私の問いに、カクさんがピクッと反応したのが分かった。
「なんでじゃ？」
「なんとなくですが、何かいつもと違う感じがして……」
私が何かしてしまったのでしょうか？
不安に思った事を素直に聞いてみると、「Aにはかなわんなぁ」と言いながら、カクさんは私のことをギュッと抱きしめた。
「カクさん？」
「今だけ、こうさせてくれ……」
彼は、消え入りそうな小さな声でそう言った。
「落ち着くまでいいですよ」
私はそう返事をして、カクさんの背に手を回し、落ち着かせる意味も込めて、「ポン、ポン」と背中撫でることにした。
そうしたら、ピクリとカクさんが僅かに動く。
そのまま、カクさんは私の首筋に顔を埋めはじめたのだが……
「カッ、カクさん？」
さすがに、これは恥ずかしい。
「なぁ、A？ 首のところ、どうしたんじゃ？」
えっ？
首のところ……なんかあったけ⁇
「ジャブラじゃなっ‼」
カクさんが、1人怒気を含んだ声でそう呟くと、今度は首筋にチクリとした痛みが走った。
何？
カクさんは一体何をしているんだ？ 様子を見ようにも、体を動かせる範囲は僅かだし、何よりカクさんの表情が全く見えない為、判断ができない。
状況を正確に判断できないのは困る。
そう思い、もう1度声をかけてみようとしたのだが、
それは、出来なかった。
なぜならーー
私の唇は
彼によって塞がれてしまっていたから。
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奏(Kanade)(プロフ) - 詩織さん» ディーオのことまでそんな風に言っていただけるなんて！！詩織さんが尊いww (2021年12月30日 23時) (
レス) id: 2a68d08880 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - ディーオ尊いな…………. (2021年12月2日 14時) (レス) @page12 id: 2cd8c67a18 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - MAREさん» コメント、気がつかなくてすみません。ディーオは分かるのですが...吸血鬼ってなんでしょう？すみません、無知で。ちなみに前文にも書いてますが、12話まではキャラ誰も出てこないですwwすっとばして13話以降からお読みくださいねー(^^) (2021年7月20日 1時) (レス) id: 2a68d08880 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - やばいディーオとか吸血鬼しか出てこないw (2021年5月25日 23時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - jaさん» そうなんですよー。でも、きっと言い方やニュアンスによって言葉は変わりそうですが、単語のみの意味だとそうなります^ ^勉強になるだなんて、恐れ多い！！笑 (2020年3月22日 13時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2017年12月10日 12時
