42.安寧 ページ42
気がつくと、自分の部屋ではないどこかにいた。
寝てしまっていたのだろうか？
「……ここ、どこ？」
ゆっくりと身体を起こし、周りを見てみると、普通の室内なら見られないものが、そこにあった。
「なんで、部屋の真ん中に森があるの？」
ベッドから立ち上がり、なんとなく森の方に足が向いた。
森の真ん中までくると、その場に寝転んで目を閉じてみる。
気持ちいいなぁ〜。
森の匂いや草の感触に癒される。
やっぱり、人間は自然の中じゃないと生きられないんだなぁ。
のんびり癒されていると、
どこからか視線感じ、ゆっくり目を開けると、ジャブラさんがどこか呆れたように私を見ていた。
「気がついたみてぇだなぁ……」
『チュン』
『チュン』
ーーん？
今の空気に些か似つかわしくない音が聞こえてくる。
私達の目の前をニワトリが横切り、そしてニワトリらしからぬ鳴き声をあげたのだ。
「……ニワトリってチュンって鳴くんですね」
なんて、のんびり話しかけると、
「お前には警戒心や危機感ってもんは、ねぇのかよ……」
と、ため息をつかれる。
失礼な！
先ほどまで、バリバリ警戒心を出していたはずですけど‼
「人並みにありますよ」と言いながら、寝転んでいた上体を起こせば、
「どこがだよ‼」と、口調強めにツッコミを入れつつ、ジャブラさんは私の横に腰を降ろした。
「……悪かったな。ついやりすぎちまった」
しばらく、ぎこちない沈黙を続けた後、私に謝罪を述べたジャブラさん。
「…………」
私が何も言わずにいると、気まずそうにこちらの様子を伺っているのが分かる。
「気にしてないので、大丈夫ですよ」
いや、でも……。と続けるジャブラさんを見て、あ〜、実はこの人も勘違いされやすいタチなのかもしれない。ーーそう思った。
排他的で自己主張が強く、攻撃的に見える一方で、本来は人を思う気持ちが強く、他人を気遣える優しさを持ち合わせているのが、彼なのだろう。
ーー優しい人……なんだね。
「ここまで、運んでくれたのってジャブラさんですよね？ あのままだったら、色々な方たちに迷惑をかけたかもしれません。
助かりました。ありがとうございました」
彼がこれ以上、今回の事を気に止めないよう笑顔を向ける。
ジャブラさんは、驚いたような顔をした後
「なんで、カクがお前の事を気に入っているのか、分かった気がするぜ」
そう、静かに呟いた。
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奏(Kanade)(プロフ) - 詩織さん» ディーオのことまでそんな風に言っていただけるなんて！！詩織さんが尊いww (2021年12月30日 23時) (
レス) id: 2a68d08880 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - ディーオ尊いな…………. (2021年12月2日 14時) (レス) @page12 id: 2cd8c67a18 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - MAREさん» コメント、気がつかなくてすみません。ディーオは分かるのですが...吸血鬼ってなんでしょう？すみません、無知で。ちなみに前文にも書いてますが、12話まではキャラ誰も出てこないですwwすっとばして13話以降からお読みくださいねー(^^) (2021年7月20日 1時) (レス) id: 2a68d08880 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - やばいディーオとか吸血鬼しか出てこないw (2021年5月25日 23時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - jaさん» そうなんですよー。でも、きっと言い方やニュアンスによって言葉は変わりそうですが、単語のみの意味だとそうなります^ ^勉強になるだなんて、恐れ多い！！笑 (2020年3月22日 13時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2017年12月10日 12時
