18.遠慮 ページ18
カクさんのものすごい速さに驚いてるうちに、目的の場所にはあっという間に到着した。
そう到着したのだが……
なのに、カクさんは一向に抱えたままの私を降ろしてはくれない。
「あの〜」
「なんじゃ？」
ーーなんじゃ？ じゃない‼
「ついたんですよね？」
「ついたのぉー」
それなら、降ろしてほしい……。
ものすごく、恥ずかしいし……。
「それなら、そろそろ降ろし…「いやじゃ！！」
......オイ！ 私の言葉に被せるなよ。
「いえ、重いでしょうし。恥ずかしいので、降ろしてください。」
「安心しろ、全くおもくはないぞ！ むしろ軽いくらいじゃ。」
な〜んて、女子なら間違いなく喜ぶようなテッパン的なことを言いながら、ソファーに腰を降ろした。
もちろん、私を抱きかかえたまま。
カクさん、酔っ払ってるんだろうか？
だから、訳の分からない事を言って私を降ろしてくれないんだな。
そう思う事にした。
相手が酔っ払ってると思えば、恥ずかしさも少しは薄れるというものだ。
いや、そんなの嘘だ！
どんなに自分を誤魔化そうとしてもダメだ！全然、薄れない‼
ーーこうなったら仕方ないか。実力行使にでるまでだ。
「もう、いい加減にしてください！」
私はそう言い、音もなくカクさんの腕の中から抜け出した。
ようやく、自分の足で立てたぞ。
自由になった我が身を喜んでいると、カクさんがすぐ側まできて、私の手首を一瞬でとった。
「わしから逃げ出せるなんて、なかなか良い動きをするのぅ」
そう言い、探るような目つきで私を見る。
「ええ。強くなりたいんで、修行してるんです。旅の目的もその一環です。
カクさんほどの方から上手く抜け出せるとは思ってませんでしたが……上手くいきました」
そう言い、ニコリと笑顔を向ける。
嘘はいってない。
うん、嘘はね……。
生憎、神様がどうのこうのとか、もともとここの人間じゃないとか……言えるわけがない。
この事は墓場まで持っていく覚悟だ。
なら、罪悪感はあるがこういった話題は適当に言い連ねて誤魔化すしかない！
「そうかぁ……それなら尚更、ここはピッタリじゃったな」
カクさんは掴んでいた私の手首を離し、先ほどと同じように人の良い笑顔を見せてくれた。
変に追求されなかった事に、私はホッと胸を撫で下ろしていた。
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奏(Kanade)(プロフ) - 詩織さん» ディーオのことまでそんな風に言っていただけるなんて！！詩織さんが尊いww (2021年12月30日 23時) (
レス) id: 2a68d08880 (このIDを非表示/違反報告)
詩織(プロフ) - ディーオ尊いな…………. (2021年12月2日 14時) (レス) @page12 id: 2cd8c67a18 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - MAREさん» コメント、気がつかなくてすみません。ディーオは分かるのですが...吸血鬼ってなんでしょう？すみません、無知で。ちなみに前文にも書いてますが、12話まではキャラ誰も出てこないですwwすっとばして13話以降からお読みくださいねー(^^) (2021年7月20日 1時) (レス) id: 2a68d08880 (このIDを非表示/違反報告)
MARE(プロフ) - やばいディーオとか吸血鬼しか出てこないw (2021年5月25日 23時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - jaさん» そうなんですよー。でも、きっと言い方やニュアンスによって言葉は変わりそうですが、単語のみの意味だとそうなります^ ^勉強になるだなんて、恐れ多い！！笑 (2020年3月22日 13時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2017年12月10日 12時
