102.あゝ、アラバスタ！ (深みの共存 2) ページ7
なんだか互いに互いを励ますような形となってしまった。いや、完全に私がサンジの優しさに救われたパターンだな。
ともあれ「それでは、気を取り直して食堂までエスコートさせていただけますか？ プリンセス」などと言われ、冗談交じりに「喜んで」と彼の差し出されていた手に自分の手を重ねると、そのまま手の甲にキスなんてものをされて、一緒に食堂へと向かうことになったわけだがーー
彼は何処かの国の王子なのか？
よくもまぁ、あんなにスマートに恥ずかしい行動が取れるものだ。
結局、私が1人でアタフタしてしまった。
そんな私を見て、サンジは隠すことなくクスクスと小さく笑っている。
そんな彼の様子と自分の姿に、なんとも言えない複雑な笑みを漏らしながら食堂への扉を開けた。
あ！ この時も
「もちろん、レディファーストだぜ。さ、Aちゃんどうぞ」
サンジが扉を開けてくれたのだ。
相変わらず徹底されている……。
今度こそ難解な笑い顔は苦笑いへと変わっていく。
「ありがとう、サンジ」とお礼を告げ、食堂の中を改めて見れば、既にエースが先客としてコーヒーをのんびりと飲んでいた。
「エースも来てたんだね」
「お、Aか。サンジが声をかけてくれたもんでね」
「そっか。サンジの淹れてくれたコーヒー、絶品でしょ」
「ああ、かなり美味い」
穏やかに微笑んでくれたエースを見ながら、ルフィと全く同じような顔で笑う事もあるけど、エースはそれ以上にどこか大人びた顔で笑う事も多い。
そういうところ……やっぱりお兄さんなんだなぁ。
よく考えれば、エースはこのクルーの中では最年長なのかぁ〜。どうりで、時々落ち着いた雰囲気を見せるわけだ。
ん？ あれ⁇
そういえば〜
私って……何才なんだ？
ふと、自分の歳が何才であるのか分からない事が発覚し「はてな？」と、小首を傾げた。ついでに言うなら幾分か口元はヒクついていた気がする。
「1人、百面相だな」
少しだけ上にいっていた視線を戻せば、エースと目が合い笑われてしまった。
少し気恥ずかしげに苦笑いを返せば、エースの手がふわりと私の頭の上に置かれ、髪の毛を優しく撫でられる。
「で？ 何、考えてたんだよ」
「あ、うん。あのね……」
彼は片方で頬杖をつきながら、もう片方で私の髪を撫で続けながら、話しかけてくれた。
何もそんなに撫でなくても。とも思うが、エースに頭を撫でられるのは嫌ではなかった。
でも、そのエースの手が急に止まったのだ。
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奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！よろしくお願いします^ ^ (2021年5月2日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 返信ありがとうございます！また更新してくださって嬉しいです！これからも応援しております。 (2021年5月1日 18時) (レス) id: 7e246103d6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» 初めまして！コメントの返信が遅くなってすみません。連載この連休で少し進める予定です。アリスさんにこの連載を好きと言っていただけて、すごく嬉しいです！頑張る気力が湧いてきました笑(^^) (2021年4月29日 14時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 奏さん初めまして！いつもこの作品を楽しく拝見させていただいております。この作品はもう更新しないのでしょうか？私はこの作品が凄い好きなので、良ければまた更新再開して欲しいです！ご検討よろしくお願い致します。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: d582cbc40a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑炭酸(プロフ) - 夢主愛され最高ですよね！！ お悩み中なのですね！救済していただけると私はすごく嬉しいですが死んだとしても奏様のこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: 72cb3f7599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月25日 19時
