114.あゝ、アラバスタ！ (砂漠の歩き方 3) ページ19
岩場まで走っていってしまったルフィの後を追い、私達も岩場に向かって歩いて行けばルフィが血相を変えてこちらに戻ってくるではないか。
「ルフィが何か叫びながら戻ってきてるね。どうしたんだろう？」
「さあな？」
隣に立つゾロと顔を見合わせて、大慌てで戻ってくるルフィの様子に小首を傾げる。ゾロはさほど興味がないのか、たった三文字の言葉だけが返ってきた。その顔には「いつものことか」とばかりに慣れきった表情が出ていた。彼はいや、彼だけではないがよくルフィの事を分かっているようだ。
「大変だぁーーっ‼ 大ケガして死にそうな鳥がいっぱいいるんだ‼ チョッパー治してやれよ‼」
ルフィが血相変えて戻ってきた理由は、どうやら怪我をした鳥のようだ。
もちろん、チョッパーはすぐに立ち上がり、ルフィと一緒に岩場まで走っていく。
そんな彼らを見ながらビビが思案顔を示している。
「……とり？ 鳥⁉ ちょっと待ってルフィさん、その鳥って……まさか‼」
何かに気がついたようで、大慌てでルフィの後を追いかけ始めるビビ。
あまりの様子の変化に周りのみんなも驚き、急いで岩場を目指すため駆け出した。
そしてついた岩場の先ではーー
「なにも……ない？」
そう、言葉のとおりなにもないのだ。
ルフィが言っていた大怪我した鳥も。そしてあろうことか、私たちの荷物全てが。
「やられた……」
何か事情を知っているであろうビビが力なく膝をつけている。
「ビビ？ どういうこと？」
「Aさん、ルフィさんが見た大ケガをした鳥というのは、きっと“ワルサギ”」
「ワルサギ？」
「ええ。“ワルサギ”は旅人を騙して荷物を盗む“砂漠の盗賊”よ。ごめんなさい！ 話しておくべきだった……」
ーーワルサギーー
また、随分と分かりやすい名前だ。
「名は体を表すって奴かしら」
いや、違うか。どちらかといえば、その鳥の生態上あとから分かりやすいよう、そういう類の名前にしたのかも
1人でぶつぶつと“ワルサギ”のあまりにも分かりやすくかつ安直な名前について考えていれば、「それ、そんなに深く考えるとこ？」とナミに呆れられた。
ーー確かにそうだ。
荷物がないこの現状で、真剣に考えるようなことではないな。うん。
ダメだ。
きっと私も少なからず、この砂漠の熱にやられているのだろう
今はそれより、目の前のルフィとサンジがもめているのを止める方が先決だな！
よしっ！
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奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます！よろしくお願いします^ ^ (2021年5月2日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 返信ありがとうございます！また更新してくださって嬉しいです！これからも応援しております。 (2021年5月1日 18時) (レス) id: 7e246103d6 (このIDを非表示/違反報告)
奏(Kanade)(プロフ) - アリスさん» 初めまして！コメントの返信が遅くなってすみません。連載この連休で少し進める予定です。アリスさんにこの連載を好きと言っていただけて、すごく嬉しいです！頑張る気力が湧いてきました笑(^^) (2021年4月29日 14時) (レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 奏さん初めまして！いつもこの作品を楽しく拝見させていただいております。この作品はもう更新しないのでしょうか？私はこの作品が凄い好きなので、良ければまた更新再開して欲しいです！ご検討よろしくお願い致します。 (2021年4月6日 18時) (レス) id: d582cbc40a (このIDを非表示/違反報告)
夏蜜柑炭酸(プロフ) - 夢主愛され最高ですよね！！ お悩み中なのですね！救済していただけると私はすごく嬉しいですが死んだとしても奏様のこの作品大好きです！これからも応援してます！ (2021年1月16日 18時) (レス) id: 72cb3f7599 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2019年9月25日 19時
