割れる波、硝子屑〜2〜 ページ32
「もう大丈夫だよ。私は君たちを助けに来たんだ。今、お母さんのところに連れていくからね」
「お母さんの！？」
「お姉さん、本当？」
「うん、本当。今から連れて行くからしっかり掴まっててね」
子どもたちに、極力不安を感じさせたくない！
私はそう思い、灯りがほんのりとつくような面持ちで、言葉をかけることにした。その思いが伝わったのか「ありがとう」と、ぎこちないながらも、子どもたちは笑顔を見せてくれるようになった。
さて、スピードは落ちるが子ども2人なら、なんとかこのまま運べそうだ。
そう思っていたのだが……
「お姉さん！ 後ろから、また大きな波がきてる！」
あのくらいの波なら、なんとかなるだろう。
「大丈夫！ 凍らせる！！」
1度、その場に止まり迫ってくる波に「ヒエヒエの実」の能力をぶつければ、自分たちを襲うことなく波の形状を残したまま凍りつく。
無事、成功した事に胸を撫で下ろす。
しかし……やや疲れるなぁ〜。
比較的、氷の能力は使いやすいのだが、現在能力の多重使いをしているので、体には少しばかりの負担がかかっているようだ。
……ここから先、能力はあんまり使えないなぁ〜。
何より、この子達の安全を第一に考えなくてはならない。
そもそも、荒れ狂いだしたこの海では、あの程度の波ならこの後何度もくるだろう。
このエアシップも本来は1人用。このまま進むのは得策ではないかーー。
なら！
「オリガミたち、出ておいで！
……この子達をあの高台まで、運んで！ 最高速度で」
まずはこの子達を助けよう！！
オリガミたちは、互いに重なりあい大きな鶴の形へと変化していく。
「さあ、ここに乗って。この鶴さんが、安全な所まで運んでくれるからね」
「お姉さんは？」「一緒に行かないの？」
「ごめんね。お姉さんまで乗っちゃうと、危ないんだ。お姉さんは今、乗っているがあるから大丈夫。さぁ、行って！！」
半ば無理やり子どもたちを鶴の背に乗せ、飛び立たせた。
「これで、もう大丈夫……」
海を見れば、大きなうねりをあげて波が自分の方に近づいてきているのが見える。
「あれは……津波！ あんな大きなものがきたら、あの村なんてひとたまりもないわ」
凍らせてしまえるか？
徐々に勢いを増す波を見ながら、頭の中を急速に動かす。
まだ、遠いとはいえ数秒後には、私にぶつかる。確実に！
ーー考えろ！ 私！！
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奏(Kanade)(プロフ) - まゆさんの親友！さん» いつも読んでくださり、ありがとうございます。ほぼ、徹夜で読んでいただけるなんて嬉しすぎます！ エニエスロビーや頂上決戦での海軍との再会など、実は私も早く書きたい部分です笑 キャラ庇って重傷とか絶望しちゃいますね。きっと笑 でも、それが逆にイイかもですね (2019年9月21日 18時) (
レス) id: 9dfcc2ee40 (このIDを非表示/違反報告)
まゆさんの親友！(プロフ) - Kanadeさん» 絶望しそうだけどねキャラ庇って重傷とかしたらなおさら絶望しそうですよね更新楽しみです (2019年9月21日 15時) (レス) id: 66f3fe73b2 (このIDを非表示/違反報告)
まゆさんの親友！(プロフ) - Kanadeさん» いつも呼んでますしリクエストも新しくお願いしてます！kanadeさんの作品好きすぎてほぼ徹夜で一気に読みました！！溺愛されてるのに壊滅的に二ブチンなせいで気づいてない主人公かわいい！！エニエスロビーとかでCP9や頂上決戦で海軍と再会したら敵になった溺愛キャラ (2019年9月21日 15時) (レス) id: 66f3fe73b2 (このIDを非表示/違反報告)
Kanade(プロフ) - オタンコナスさん» いつも、読んでいただいてありがとうございます(^^)面白いと言っていただけて、すごく嬉しいです！！そして、サンジくんの体型いいですよね〜笑 同士がいて嬉しいです！ 何気にあんな作者の独り言に賛同してくれたのが、心に染みましたぁ(笑) (2018年11月10日 16時) (レス) id: b55ee6d4e2 (このIDを非表示/違反報告)
オタンコナス(プロフ) - いつも読ませて頂いています！とても面白いです！あと関係ないですがサンジ君の体型いいですよね！ (2018年11月10日 13時) (レス) id: 151d43d658 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奏 | 作成日時：2018年9月25日 20時
