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自業自得って、まさに今の私のためにある言葉なんじゃないだろうか。自分が招いた結果が、大切な友人を不幸にしている。私のせいで、皆に迷惑が掛かってる気がした。
私は優柔不断な人間で、親の反対を押し切ってまで上京した結果、結局帰って来た。今も同じことをしようとしている。友達の想いを否定したくせに拒絶することはできなかった。はっきりしない、最低なゲス女。
可笑しいな…、恋愛未経験ってわけじゃないのに。どーしたらいいのかわからないなんて……、
「ーーちゃん」
ヒラに拒絶されて……、当然の結果なはずなのに。私のせいでヒラに不快な思いをさせてしまったのは、私の今までを考えれば当たり前な結果なのに…、
「Aちゃん」
なのに私…、
「Aちゃん！」
「うわっ！？」
耳元でいきなり響いた呼び声は、私を吃驚させるには丁度よかった。辺りを見渡すとかごを持って買い物するお客さんがチラチラこちらを見ていた。そして自分がやっと、仕事中だったことを思い出す。
「ごめんびっくりさせて」
「…フジ？」
「仕事中ごめん」
私に声を掛けてきていたのはフジだった。
まさかフジがここにいるなんて思ってなくて、またもや吃驚した私だけど、彼が持つ買い物かごの中にたくさんの食品が入っていることに気付いた。
「…めっちゃ買うね」
「今日は最俺ハウスで実況撮るからさ」
その言葉を聞いてピクリと思わず反応してしまう。フジはそんな私を見逃してくれなかった。
「…大丈夫？」
「なにが？」
「Aちゃん、元気ないよ」
「…」
心配そうに顔を覗いてくるフジ。なんで彼がわざわざ私の働くスーパーに来たのか、理由なんてわからないけどあまりあの４人の中の誰にも会いたくない気分だった。きっと、ヒラかキヨのどちらかに私の働き場所を聞いたんだろうけど、あまりにタイミングが悪すぎる。
「大丈夫だよ」
「…ねえ、仕事終わり空いてる？」
「え」
「今はさすがに仕事中だから邪魔になるだろうし、終わったらご飯食べようよ」と笑顔で提案するフジだけど、私は乗り気じゃなかった。
「ごめん、ちょっと無理かな」
「駄目。拒否権なし」
「はい？」
「俺待ってるからね」
「仕事頑張って」と最後に微笑んだフジに、私は何も言い返せなかった。
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作者名：わたがし | 作成日時：2020年11月25日 12時
