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「これってなんか最俺のキヨに似てない？」なんて、曖昧な言葉と一緒に投稿されていた画像にはAの姿が見てわかる。
「キヨなわけないじゃん」とか「この画像まじ？」とかたくさん付いたコメントを見ていくと頭痛が増していくもんだから、自然と眉間に皺が寄った。
とりあえずフジからの電話を一時切って、パソコンを睨む俺。
「なんだよこれ」
「Aと一緒にいたところ撮られた」
「え、うそだろ」
「……こんだけ盛り上げられると誤魔化せそうにないかもな」
コメント欄に投稿されたコメントの多さに思わず大きなため息が出てしまう中、こーすけが俺のパソコンを覗き込んできて驚愕している。
幸い、キスしたところとかは見られてないっぽいから「仲良かった幼馴染」って誤魔化せそうだけど、そうすることによってAに迷惑が掛からないか不安になる。もちろん名前を出すつもり無いし、消去するよう頼むつもりだけど……。
「はぁぁぁ…、めんどくせぇ」
「住所特定とかされてないよな？」
「されてたら泣く」
「Aちゃん大丈夫なのかこれ」
「あいつに被害行ったら俺もう動画投稿止める」
「……」
そこまで事が大きくなるとは思ってないけど、万が一あいつのところまで被害が行くようなことがあれば俺はSNSやYouTubeから姿消してやる。もちろん最善は尽くすし、何とかこれ以上物事が大きくならないように善処するつもりだけど、俺は１人の男として好きな女の子を傷付けるような真似はしたくないし、俺が守ってやりたい。
「…キヨがそのつもりなら、俺は何も言わない」
「うん」
「とりあえず、消してもらおうぜ」
「当たり前だわ」
これ以上Aを泣かせるようなことはしたくない。もう散々、困らせたり泣かせたり…たくさんあいつに抱え込ませてるんだ。
あの場で、無意識に泣いていたAを家まで送って俺は彼女に「またな」と言ってしまった。結局俺はAと離れられなかったんだ。
あいつを苦しめるくらいなら離れようって、散々考えて自分に言い聞かせてたのに俺は彼女の涙を見た途端その考えがすべて消えてしまった。
俺は、Aと一緒にいたい。
例えそれが、『友達として』だったとしても…、離れたくない。傍にいたい。
「…友達ごっこも堪えるけどな」
「？なんか言ったかキヨ」
「ん？なんも」
自嘲してしまうことくらい許してくれよ。
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作者名：わたがし | 作成日時：2020年11月25日 12時
