妖精、拾いました。2【Sho.S】 (ページ1)

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「びっくりしたあ...」

松本さんはそういうと"あ"の形のまま口を開けて固まる

「それがルージュの能力です。いろんなものを操る」
「何でもできるじゃん...」
「そうですよ。だから恐れられます。人間界のゲームでは赤は炎、青は水を操るとかありますけど、赤が全部操ってますから」
「そうだったの！？そんなの俺聞いてないけど」
「だって言ってませんもん。それより、黄色は光はまだわかるとして、紫が闇ってなんですか、闇って」

確かに言われてみれば急にスタンス違うもんなあ。なんて納得をしていると、翔が「へぇ～」ってニヤニヤし始めた。

「じゃあここに居る奴めちゃくちゃにするのも簡単なんだあ」
「しょ、翔？」
「もしかして俺、余計なこと言っちゃったパターンのやつですかね」
「冗談だよ、冗談。そんなことしたら、クローバーになんてなれないでしょ？」

そう言って笑う翔の目はひどく怖かった。

「それより、まずは謝らなきゃ」
「すいませんでした」

私が翔に謝罪をうながすと、案外サラっと謝った。八つ当たりはしないようだ。
翔が怒っているのは、偉大な職に就こうとしていたのに自分のために人間界に来た智？

「弁償します、すいません」

私が頭を下げると、

「そのひつようはないよぉ～」

ゆったりした声が入り口から聞こえた。