341:夏期講習 ページ41
ーAsideー
芳村さんは表情を変えずに頷く。
『椚ヶ丘中学校は今日から夏休みに入りました。夏休みの間もいろいろあって、何度かクラスで集まらないといけないんですけど』
「そうなんだね。とりあえず、無事一学期が終わってよかった」
『はい。それで、夏休み中に…沖縄に行かないといけないんです。二泊三日で』
「沖縄？どうしてまた沖縄に」
『夏期講習に行くんです。成績優秀クラスに与えられる特典で』
「それはまたすごい特典だね。うん。いいんじゃないかな。楽しんで行ってくるといいよ」
『ありがとうございます』
もしかしたら止められるかも知れないと少しヒヤヒヤしていたがその心配もいらなかったようだ。芳村さんは快く了承してくれた。
「それにしても、Aちゃんが学校を楽しんでいるようでよかったよ。一時はどうなるかと思ったけれど」
私が学校に行きたくないと思ってた最初の頃。あれバレてたんだ。さすがとしか言いようがない。
『はい。今はすごく楽しいです。芳村さん。今更なんですけど、椚ヶ丘中学校を進めてくださってありがとうございました』
「うん。ただ、楽しくなかろうが楽しかろうが、自分の命を危険にさらしているということに変わりはないのだから今まで通り気を引き締めておくんだよ」
『はい』
「たくさん経験して、たくさん実るといい」
芳村さんは掛け時計を見て「もうこんな時間か」と呟いた。
「そろそろ寝なさい。夏休みだからといって生活リズムを崩してはいけないよ」
『はーい』
ちょっと無理かも知れないと視線を逸らして空返事をした。
「じゃあ、おやすみ」
『おやすみなさい』
芳村さんの背中は、初めて出会った時と同じで広くてしっかりとしていた。
ー
夏休み中、何度も校舎に集まり地道に計画を立てていく。
そしてついに、………この日がやってきた。
透き通った海、吸い込まれそうなほど青い空。何時間見ていても飽きない。写真撮ってお姉ちゃんに自慢しよう。
「A」
『わ、びっくりした。どうしたのカエデ』
「あはは、別に用があったわけじゃないんだけど。一人で海眺めてるからもしかして酔ったのかなって」
『心配してくれてたの？ありがと』
「どういたしましてー！ねぇ、自由時間あるじゃん？一緒に海入ろうよ！」
『いいよ』
「やったー！！」
そんなに嬉しいかねぇ。と、柵にもたれかかってはしゃぐカエデを眺めた。
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
