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ー業sideー
電話のコール音。画面を見ていたAの顔が一気に明るくなる。
『ちょっと電話、出てきていい？』
「どうぞ」
『あ、カルマに変なことしないでね』
「はいはい。いってらっしゃい」
コバエでも追い払うように手で払う。
俺は必然的にこいつと2人きりになってしまった。
ドアが閉められた直後、ドア越しにAの明るい声がかすかに聞こえて来た。その声はどんどん遠ざかる。
「…相手が誰か気になるみたいね」
図星を突かれて言葉が出ない。
「男よ。あの子今片想い中なのよ」
男……
「苦しそうね」
「苦しくなんてない。別にAのこと好きじゃないし」
「そう」
俺は目の前にいるこいつとなるべく目を合わせないように努力した。
「人間って本当に面白いわ。並びに喰種も」
下を向きながら黙って話を聞く。砂糖が入った珈琲も、飲む気がしない。
「人間と喰種は紙一重。私はそう思うわ。人間も喰種もお腹を空かせるし、自分に足りないものを補おうとする。もちろん恋だってするわ。だけどやはり違いはある。その違いというのが生き様ね」
珈琲に波紋が。中をのぞいてみると小さな薄紫色の花びらが浮かんでいた。花瓶にさしてある花から散ったのだろうか。
「世界は人間を中心に回っている。でもそんな時代ももう少しで終わる」
俺は驚いて顔を上げた。
「あと少しで世界の中心は喰種になるわ」
心底嬉しそうに笑う。こいつのいっていることが嘘なのか本当なのか俺にはわからないけど、なんだか本当にそうなる気がしてならなかった。
くすくすと笑うあいつ。ひとしきり笑うとどこかにボタンでもついているのか表情が一瞬で変わった。
「
そう言い終えるや否や、ドアからひょこっとAが顔を出した。
「…遅かったわね」
『ごめん、会話が弾んじゃって。…帰ろうか』
「そうだね。じゃあ」
俺はAの隣を歩くことができず少し後ろをついて歩く。
薄く開いた玄関のドアから外を見ると、暗い森が真っ赤な夕日に照らされていた。
ー
ーAsideー
『何もされなかった？』
どこか暗い顔をしている業に話しかけていいものか迷ったが、意を決して声をかける。
「平気」
『そう？ならいいけど』
ノリで連れて来ちゃったけどやめておいた方が良かったのかも。
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
