323:期末 ページ23
ーAsideー
欠席なし。全員が揃ったところで本校舎へ移動する。
中間テストの時とは異なり今回はひどく緊張していた。
たくさん勉強をした。タコ先生に限らず、金木さんやお姉ちゃん。あの錦にも教わった。
これで良い成績が取れなかったらみんなを幻滅させてしまう。そう。私は今プレッシャーに押しつぶされそうなのだ。
らしくない。かぶりを振る。
左側に違和感を感じつつも自分の席に着く。……見えないふり、をするわけにもいかなそうだ。
『えっと、どなたですか？』
私の席の左隣にはE組で一度も見たことがない女の子が座っていた。
「…」
女の子は何も答えない。喋ることを許可されていないかのようにただじっと私を見た。
薄く開いた瞼の奥に恐ろしいほど綺麗な瞳が隠れている。思わず息を飲んだ。
「…律役だ」
教室のドアからひょっこり姿を現した烏間は引きつった顔で女の子の代わりに答えた。
『律
「あぁ。流石に理事長から人工知能の参加は認められず、律が勉強を教えた替え玉で結着した」
『な、なるほど』
「交渉の時理事長に「大変だなぁこいつも」と、憐れみの目を向けられた俺の気持ちがわかるか」
あいつに憐れみの目を向けられるなんて想像したくもない。
『ふは、ほんと大変ですね。烏間先生も』
「…律からの伝言も併せて俺からも。「がんばれよ」みんなにも伝えておいてくれ」
『はい』
烏間が満足げに去って行ったあと、律役の女の子にもう一度声をかけてみる。
『ねぇ。律の説明分かりやすかった？』
黙って頷く律役。
『そっか。あ、ごめんね。変にプレッシャーかけてたら』
やはり黙って首を振った。
この子普段は何してるんだろう。テストの時に駆り出されるってのもかわいそう。
「私ら一番のり〜！…じゃなかった。Aが……え？誰？？」
「なになに？」
莉桜の後に続き渚。2人も律役の子に興味津々のようだ。いや、興味津々とは少し違うのかもしれないけど。
『律役の子。人工知能の参加は認められなかったから代わりに』
「あ、あぁ。なるほど」
「烏間先生も大変だね」
『烏間先生、がんばれよだって』
「え？烏間先生が！？」
『うん。律からも』
「そっか。頑張らないとね」
「そうだね！…なんか、緊張してきたかも」
ドキドキ苦しい胸をさすった。
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
