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ーAsideー
『じゃあ、ごちそうさまでした』
美味しくない上に緩くなった珈琲をなんとか飲み干し、目ん玉を１つ手に持って席を立つ。
「あんたがいると騒がしいから当分来ないでね」
本当は寂しいくせに。
『はいはい。また明日来るよ』
「私の話聞いてた！？」
『聞いてた。じゃあね』
目ん玉を口に入れ噛み潰すと中から液体が出てくる。私はこの液体が好きだ。なんとも言えない味がする。その味が鼻を通って匂いになる。その匂いが脳みそまで行って不思議な気分にさせてくれるのだ。
くせになる味。くせになるからこそたまにしか喰べない。食べ慣れてしまったらきっとそれは特別な味ではなくなってしまうから。
近道のため道無き道を進んでいると野うさぎが。東京でも自然が多いところにはいるんだ。
『車には気をつけて』
言葉がわからない動物に声をかけるなんて柄にも無いことをする。今日の私はおかしい。
空を見上げると目に入ってくるのは雨。
『うわっ』
ああ本当におかしい。私一体どうしちゃったんだろう。
『っははは』
雨が気持ちいいや。
制服も髪もびしょ濡れで、靴下も靴もぐちゃぐちゃ。
だけどそれが気持ち悪くなくて、楽しくて、ウキウキしてワクワクする。
ああ私はそのまま道路に飛び出して、
クラクションが目の前で鳴る。転んでしまったふりをして、驚きもせず逃げもせず私はただその場でじっとした。
胸のドキドキは車のせい。そう自分に言い聞かせて目を閉じる。
直後にやってくる衝撃。骨が絡まり折れる。痛くなくて涙が出た。
「嘘だろ！？人引いちまった……」
「ああああああ嘘でしょ！？！？」
「くっそ、逃げるか…？」
「何言ってるの！？とりあえず救急車、警察？？」
「俺捕まりたくねえよぉ」
「逃げたら罪は重くなる一方よ！！と、とりあえず無事を確認しましょう」
「無事なわけねえだろ！！スッゲェ音したんだぞ！お前も聞いてただろ…」
「聞いてたけど！！！し、し、死んでる、なんてそんな…」
先に再生した腕を使って車の下から這いずり出る。まだ完全再生していない足は痛みを思い出すことはなかった。かばうのも忘れ雨の中をひたすら走る。
頬を伝って顎から落ちる液体が血なのか雨なのか、はたまた涙なのか見当もつかない。流れ落ちる何かは止まることを知らない。
私は突然ひどい虚無感に襲われてその場に佇んでしまった。打ち付ける雨はひどくなる一方で。
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
