318:昔から ページ19
ーアリスsideー
そうだ。この子昔から説明下手くそだったんだわ。すっかり忘れてた。
『私と喰種』
「オーケー、話が繋がったわ」
『でね、その知り合いの喰種に「この子たちは私の友達だから喰わないで」って言ったの』
「えぇ」
『そしたら「俺だって喰わないと生きていけない」って言われてさ』
「そりゃそうよ。喰種だけじゃない。どんな生物も栄養が無いと死んでしまうわ」
『そうだけど…はぁ。なんか疲れちゃったなー。明日テストだし』
「テスト…？」
テストって実験のことかしら。
『学校に通ってるとテストってやつがあるの。今まで勉強してきたことがどれだけ力になってるか確かめるためにやるんだって』
「ふぅん」
私が知ってる「テスト」とは違うみたいね。
『ほんと大変なんだよ。みんなで仲良くしなきゃとか、気使うこともあるし。勉強もそれなりに頑張らなきゃいけないし。とにかく頑張らなきゃいけないことが盛りだくさん。何より…護るものが増えるんだ。ほんと、大変』
なんだ。ちゃんと幸せなのね。AはAなりに…。護るものが増えるってどんな感じなのかしら。それなりに大変なんだろうけど、なにより充実してそうね。そんな顔してる。
「そう。そりゃご苦労さんね。さ、もう悩みは吐き出せた？」
『え？うん』
「もう帰ったら？」
『まだ珈琲飲んでないよ』
「…どうせインスタントなんかって思ってるんでしょう？」
『そんなことない！』
Aは珈琲を一気飲みする。そして顔を歪ませた。
『うわ、すごいねアリス。インスタントの珈琲こんなに不味く淹れられるヒト初めて出会った』
「あらほんと。はじめまして」
『はじめまして〜。いやしかしほんと不味いな。まじだよ』
「うるさいわねぇ。そんなに文句言うなら出て行ってちょうだい」
『ここ私の家でもあるんですけど！？』
Aの言葉にお菓子に伸ばしかけていた手を止める。
「へぇ。よくそんなこと言えるわね」
『え、』
「自分で出ていったくせに」
ああ、またやってしまった。本当はこんなことが言いたいんじゃないのに。おかえりなさいって言って抱きしめてあげたいのに。
『そ、それは…あの時は出て行かざるを得なかったんだよ…不可抗力だったの』
「そう…まぁいいわ」
グミベアを口に入れる。甘味の後に旨味。珈琲を一口。苦味の後に旨味。
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eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！夢主ちゃんの複雑な感情が伝わってよかったです。更新頑張ります！ (2019年5月25日 0時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - part7おめでたうです！ 真相が明らかになっていく...！ 夢主ちゃんの感情がひしひしと...こう、ひしひしと伝わってきて、すごいなぁと思います。eyeさんのペースで更新頑張ってください！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: c1e6d1df23 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - よつぎさん» ありがとうございます！なかなか物語が進まず申し訳ないです…！完結目指して頑張ります！！ (2019年5月20日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
よつぎ(プロフ) - いつも、楽しみに読ませてもらってます！Part7でも、更新頑張って下さい！応援しています！ (2019年5月20日 0時) (レス) id: 1767016ec7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年5月19日 22時
