拾壱話 ページ14
時間は飛んで夜。
11時。
勿論ご飯も食べ終え、仮眠室にて。
強制執行部の女性社員のほとんどが寝泊まりするここ仮眠室。
それぞれベッドが、何となく、自然に、決まってる。
二段ベッドが6個。
その内の1つのベッドの下に梅香さん、上に愛莉。
その隣のベッドの上にわし、下はわしら3人の物置。
…で、いつも寝ている。
『愛莉〜…。』
愛「…はい。」
『寝れぬ…。』
愛「知りません。お休みなさい。」
『辛辣ぅ…！』
愛「他の人の迷惑です。」
『ん〜。知ってるけど…。』
愛「ふ〜…。何ですか？寝たいです。」
『ちょっと人肌恋しくなった。そっち行ってよろし？』
愛「…。よろし。」
『やった！』
ゴソゴソと、ベッドからベッドへ渡る。
ピッタリくっついているから、落ちる心配はなし。
愛莉の布団に入った。
愛「抹茶先輩、狭いぃ。」
『ごめんごめん。愛莉暖かいね。子供みたい。』
愛「大人です〜。20歳！ハタチ！」
布団の中で、愛莉に腹パンされた。
『ジョーク…イッツジョーク…。』
愛「童顔なのは知ってますし、子供体温ですけど、大人です！」
『地雷なのね…。オッケー分かったわ。』
愛「…先輩こそ、人肌恋しいとか子供ですか。」
『子供の頃はペットと寝てたし、審神者の頃はこんのすけと寝てたし、ね？時々よ、時々。』
愛「ふ〜ん。」
ごろり、と寝返りをうって背を向ける愛莉。
デレとツンが激しいこの子。
愛「先輩は。」
『ん？』
背を向けたまま、声が聞こえる。
勿論小声だけど。
愛「審神者の頃に未練とかは？」
『どしたん。ないけども。』
愛「…ないんですか？」
『うん。笑顔で「あの仕事しないクズぶりっ子とせいぜい仲良くしてな。幸せに折れることを祈っててあげる。」って言って出てきたしね。』
愛「悪意を感じる…。」
『それに、今の仕事好きだしね。仲間も好き。』
愛「…そうですか。」
『ん？照れてる？』
愛「照れてないですから。…ほら、明日仕事あるでしょ！寝て！」
『ここで寝てよろし？』
愛「もう、よろし！」
『やった。』
わしは笑顔で愛莉に抱きついた。
お休み、と言葉をこぼせば、愛莉もお休みなさいと返してくれた。
さて、明日は本丸潰し。
ちゃんと寝よう。
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作者名：宇治抹茶 | 作成日時：2019年3月22日 0時
