夜に浮かぶ金魚 (ページ2)

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女性口内金魚ページ2

不気味な赤い跡。

『何だろこれ…。…ねぇミココ？…ミココ？』

「赤い金魚…」

『…え？』

ミココが、跡を真剣な顔をして見ていた。

《赤い金魚》って、何…？

「赤い金魚って…？」

『私も聞きたい』

六郎がミココに問う。

私もそれに便乗して、ミココを見た。

「中堂さんが探してる、犯人の証拠！殺されたお姉さんの口の中にも、同じ模様があった…」

…お姉さんって…。

『コウジヤユキコさん…？』

女性の口内に視線を移す。

赤い跡は、《赤い金魚》…。

こういう風に、殺されたってこと？

同一犯ってこと？

そこで、芽亜莉の言っていたことを思い出した。

系ちゃんが殺したって言ってた。

そんなこと、あるはずない。

だって、探してるって。

探してるって…。

「A、大丈夫…？」

『っ、六郎…』

「…とにかく、ＵＤＩ運ぼう」

私の動揺を見かねたミココが、そう言った。

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ＵＤＩに運んだ女性のご遺体。

解剖の準備を進める。

『…系ちゃん大丈夫かな』

「大丈夫な訳…。…ごめんねA、ヘルプ来てもらって」

『んーん。きっと系ちゃん取り乱すからね。抑え役よ抑え役！そして一応夕子の補佐！』

「どっちかって言うと、私の方が抑え役に合うけどね」

『おい』

ミココに頼まれて来てやったのに！

と拗ねてやると、ミココは笑った。

大丈夫、まだ大丈夫。

…そこに、系ちゃんがやって来た。

『っ、系ちゃん！般若みたいだよ！』

いつもなら怒る言葉を私が発しても、系ちゃんは反応もしない。

六郎に視線を移し、アイコンタクトする。

「大丈夫だよ」

『うん…』

六郎に慰めてもらって、私は系ちゃんにミココと共に向き直った。

所長さんが走ってくる。

「ちょ、中堂さん！」

「俺が執刀する！」

『ダメだよ系ちゃん！関係者じゃん！』

「黙れ！」

系ちゃんにぴしりと言われ、私は黙った。

ダメだ、泣くな。

泣くな、泣くな、…っ！

…すると、ミココが私の前に出た。

しっかりと前を見据えた目で系ちゃんを見る。

そして、声を発した。

「私が、第１執刀医です！」