＊ ページ5
三澄side
「あれぇ、こっちに来るの」
「？どうかしました？」
困っているような声と、心配するような声。
私はちょうどＵＤＩに戻ってきたタイミングだから、何が起きてるかさっぱり。
困っている声の主は所長だと思う。
心配するような声は…。
「久部くん、どうかしたの？」
「三澄さん。実は、あのホームページの件で、会社の人が今から来るそうで…って、ん？」
話している途中で、久部くんのデスクから、電話の着信音が鳴る。
久部くんは一言すみませんと言ったあと、電話に出た。
そっか、ホームページの人来るんだ。
所長、穏便にーって言ってたけど。
「どうかしたの？え、ＵＤＩの場所？どうして？」
「六郎誰からー？」
東海林がかりんとうを食べながら言っている。
久部くんは、ちょっぴり驚いたような顔を見せたあと、口パクで、《彼女です》と。
…なるほど、前言ってた彼女さんか。
「本当どうしたの…。…え？ホームページ？え？」
「「ホームページ」」
所長と声が被った。
ホームページって、今さっき話してた、あの？
えっ彼女さんそこで働いてるの？
凄い。
「…何で場所聞いてこなかったの。スマホとかで調べれば良くない？」
確かにそうだ。
私も一人うんうんと頷く。
「…え、迎えに？本気？」
おねだり？
わー可愛い。
一歳年下だっけ？
性格は冷たいって言ってたけど、嘘じゃないかな。
「…はぁ、どこにいるの。交差点？分かった、そこ動かないで」
「やっさしー、行ってあげるんだー？」
「方向音痴なんです」
〔余計なこと言わないで！！〕
微かに聞こえた彼女さんの声。
久部くんはさらっと謝っていた。
毎回こんな感じなのかもしれない。
それから数秒後、久部くんは電話を切って上着を羽織った。
「すみません行ってきます」
「行ってらっしゃーい」
「事故っちゃだめよ」
「分かってますよ」
私の忠告は軽く受け流す。
…これまで事故ってないから大丈夫、かと思うけど。
彼女さん乗せるなら尚更。
久部くんが出ていったあと、東海林がニヤニヤしながら言っていた。
「彼女見れるのか…♪」
「失礼なこと言わないでね」
「へへっ、分かってるって」
絶対分かってないでしょ、と突っ込みつつ、久部くんの帰りを待った。
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桜絵笑美(プロフ) - らりさん» ありがとうございます！最初はこんな設定で良いのか、見てくださる皆さんは久部くんのこと好きなのに良いのか不安でしたが、そんなの吹っ飛びました！２０日が試験日ですので、終わったら大量更新しますね！ (2018年11月18日 17時) (
レス) id: 087612a236 (このIDを非表示/違反報告)
らり - 主人公の方が好き感低いタイプの小説初めてで、とっても面白いです。更新再開してもらってよかったです！忙しいとは思いますが、今後とも無理せず頑張ってください！楽しみにしてます。 (2018年11月18日 8時) (レス) id: 5a234b7cd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桜絵笑美 | 作成日時：2018年5月21日 1時
