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久部side







「え?」


「流石に、女の子にそれは無いでしょ。あったかい人だったんならまだしも」


「…会えますよ」


俺の口から出た言葉は、ずっと俺の心で閉まってた言葉で。


そいつに会ったらAは壊れるだろう、またあの冷たさを、他人行儀を徹底するだろうと。


どこにいるか知ってるのに、知ってるのに。


「常盤高校にいます。速水栄治先生」


ここにだけは近づけたくないと、願ってしまったから。


「うん…。次の休み…明後日?行ってくる」


「そうですか…」


他人事みたいな口調に、自分を軽蔑した。








───────────




Aside




『常盤高校…』


六郎にも、三澄さんにも聞かれないように。


凄く小さな声で呟いた。








++++++++++


〈恐れちゃダメなんですよ〉


『ど、して』


〈恐れたら、相手は喜びます。で、また激しくするんですよ〉


『でも、そんな、』


〈…心を強く持て。動じるな。自分は氷だと思え〉


『え?』


〈僕の、お父さんから聞いたことです。これを徹底すれば良いんですよ〉


『こお、り』


〈ポーカーフェイスって手もありますよ?〉


『むっ、無理!氷で、氷でっ!』


〈そうですか〉


『〜っ』


〈頑張ってくださいね〉


++++++++++








あのとき、絶対誰にも言わないけど。


少しだけ、少しだけ。


速水先生のことが好きだった。


彼の優しいところと、その誠実さが。


今会ったら、確実に六郎には戻れない。


でも。


──お礼を言ってないの。


お礼だけ言いたい。


だから、ちょびっとだけ。


彼に会いたい。

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設定タグ:アンナチュラル , 久部六郎   
作品ジャンル:恋愛
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桜絵笑美(プロフ) - らりさん» ありがとうございます!最初はこんな設定で良いのか、見てくださる皆さんは久部くんのこと好きなのに良いのか不安でしたが、そんなの吹っ飛びました!20日が試験日ですので、終わったら大量更新しますね! (2018年11月18日 17時) (レス) id: 087612a236 (このIDを非表示/違反報告)
らり - 主人公の方が好き感低いタイプの小説初めてで、とっても面白いです。更新再開してもらってよかったです!忙しいとは思いますが、今後とも無理せず頑張ってください!楽しみにしてます。 (2018年11月18日 8時) (レス) id: 5a234b7cd0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:桜絵笑美 | 作成日時:2018年5月21日 1時

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