Crescends (ページ8)

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自己紹介(文字数の壁以下略) ページ8

ステージの上での二階堂さんは表現力が、四葉さんはダンスが飛び抜けていた印象が強い。

軽く会釈をすると「次はワタシでーす！」と高らかに声が上がった。

その声の方向を見ると、整った顔立ちで金髪碧眼の美青年が映った。
ステージ上の彼は、動きが優雅で美しかった。

「My name is六弥ナギ。nineteen好きなものは美しい女性！そして、全ての女性は美しい！アーンド、ここーな！」

いきなりの大声自己紹介に驚くも、あるワードが縁の中で引っ掛かり、聞き返した。

「ここな…それって、『魔法少女、まじかる☆ここな」のことですか？」
「What!?ここなをご存じで⁉」
「は、はい…以前仕事で調べたら…好きになったんです。アニメは欠かさず見るようにしています」
「fantastic!素晴らしいです！ようやく同志に巡り合うことが出来ました…！これは食後愛を語るしかありませんね！」

ぐいぐいと幼女向けアニメの話を熱く語るナギに、縁が「午後は用事があって…」と告げた。彼は一瞬悲しそうな表情を見せるも、すぐに切り替えて「では明日！明日は如何でしょう⁉」と聞き直した。

「明日も学校が終わったら仕事があって……」

苦笑しながら答えると、「では、アナタの予定に合わせます。時間が出来たら、いつでもワタシに話しかけて下さい…ここな愛は逃げません…」

「は…はい…」
若干引きながら頷くと「ではソウゴどうぞ？」と六弥さんが促した。

その方向を見ると、優しそうな青年が柔らかい笑みを浮かべていた。

「最後が僕になってしまったね。逢坂壮五です。二十歳だよ。好きなものは…音楽、かな。よろしくね」

柔らかく心地よい声だった。ステージの上での逢坂さんは動きがとても丁寧で、六弥さんとはまた別の美しさがあった。

「はい、よろしくお願いします」

縁も微笑んで会釈した。いつの間にか緊張の糸はほぐれていて、自然な微笑みに見えた。

「ではMy princess.私はアナタのことも知りたいです。お願いできますか？」

ナギからのお願いに縁は突然一瞬驚いたものの、この流れから行ったら当然か、と思い控えめに口を開いた。