自己紹介(文字数の壁に激突しました) ページ7
ステージの上での彼は、歌もダンスもそつなくこなしている様な印象だった。
縁は訝しげに眉を寄せ「…兄さん？」と呟き小首を傾げる。
見た目や声、雰囲気から判断してみると逆の気もするが……。
「見た目で判断するなよー！オレは和泉三月！二十一！」
「私は和泉一織です。十七歳です」
縁は和泉三月が少年ではなく、成人済みの青年だったことに表情には出さないが、内心驚いていた。
「はい…。私も姉さんと並んで歩くと、よく間違えられるので…」
控えめに縁が告げると別の所から元気な声が上がった。
「確かに縁さんって大人っぽいですよね！いくつなんですか？」
その声は、先日のステージで私を魅了した声と、私を眠りから覚ました声と同じだと気付いた。
「十六…です」
「えっ⁉オレより年下なんですね！」
彼が驚くのも無理はない。姉よりも高身長で発育が良く、大人びた顔つきの縁は姉と並んでしまうと、どうしても縁の方が年上に見られてしまう。
「オレは七瀬陸っていいます！十八歳です！これからよろしくね！」
輝くような笑みを見せる彼に、縁は小さく吹き出してしまった。口許を手で押さえて笑う縁に、陸は訳が分からずきょとんとしている。
「リク、口にカレー付いてるぞ」
縁は声のした方を向くと、眼鏡を掛けた青年が笑いながら自身の口許を指し「ここんとこ」とカレーが付いているところを示していた。
「えっ⁉わー！恥ずかしい…！」
慌てて口許を袖で拭おうとする彼に、「七瀬さん！」と一織がテッシュを差し出し、陸は「ありがとう！」と受け取って口許を拭った。流れる様な連携に縁は目を丸くした。
「はい、リクの口も綺麗になったところで、俺は二階堂大和。二十二、この中では最年長だな。一応IDOLiSH7のリーダーやらせてもらってます。ま、程々によろしくってことで。次、タマな」
二階堂さんが目線を向けた相手は、カレーを黙々と食べ進めていた青年だった。
名指しされ、仕方がないと言うようにスプーンを止め私の方を向いた。
「四葉環。十七。好きなものは王様プリン。よろしく」
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作者名：桜華 | 作成日時：2020年4月21日 21時
