Crescends (ページ19)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:3,484 hit

大丈夫かなぁ…(壮五主観) ページ19

「壮五さん…なんか…、今の小鳥遊さん、凄く怖かったですね…」

恐る恐る話す陸くんに、僕は小さく頷いた。

「どうしたんだろうね…」

昼食までは、いつもと変わらない様に見えた。その後、小鳥遊さんが部屋に籠ってから顔は見ていないが、今は無意識に睨まれているのではないかという程、不機嫌な目と声色だった。

「…オレ、行ってきます！」

唐突立ち上がりそう告げる陸に壮五は目をぱちくりさせた。

「行くって…どこに？」
まさかと思いつつ、恐る恐る問い掛けると陸くんは「もちろん、」と前置きし、

「小鳥遊さんのこと、もっと知りたいんです！」
と輝く瞳で返され、その一言に何となく察してしまった僕は苦笑しか返せなかった。

何が「もちろん」なんだろう……

その後、「少し出かけて来ますね」とリビングで寛ぐ大和さんと環くんに声を掛け、軽く談笑していると「どこ行くの？」との環くんの問い掛けに、流れでうっかりそのままの理由を話してしまった。

結果、更に二人も同行する流れになった。

四人が寮を空ける為、壮五はナギの部屋をノックした。ドアを開けた三月に壮五は柔らかく微笑みながら告げる。

「三月さん、僕達少し出掛けてきます」
「おう。…って、どうした？四人揃って？」
「え、っと…」

…陸くんに同行するのは六人になり、じゃあ一織くんにも話さないと。

早速部屋に向かい読書をしていた一織にこの話をすると「私も行きます。保護者が多い方がいいでしょう？」なんて言いながら同行することになり、…結果、全員で行くことになった。